●痩せていても脂肪肝に注意!
とはいえ、一般人の我らには、可視化のチャンスがそうはないのも事実。
脂肪肝や脂肪沈着は、どう推し測ればいいのでしょうか。
「太っている人や内臓脂肪が多い人は、脂肪肝の可能性があります。また、ある程度は血液検査でチェックできるので、後程見方をご説明しましょう。
ただし、それでもわかりにくいのが痩せている人の脂肪肝です。私がこれまでに見てきた中でも、スリムで健康的に見える女性が脂肪肝または脂肪沈着の状態だったことがあります」
たとえば身長153センチ、43キロ、やせ型の20代女性が、脂肪の割合10%台の脂肪沈着状態だったことがあったそう。
「彼女の場合、食事のほとんどがファーストフードのハンバーガーやフライドポテトでした。実は、脂肪肝になる人には共通項がありまして、肝臓を作るタンパク質の摂取が足りていない場合が多いんです。また、もう一つ大事なのが運動です。痩せているのに脂肪肝になっていたケースは、運動をしないで、食事制限でダイエットした人に多く見られました」
……かなり思い当たります。
ダイエットなどで食事制限をする場合、カロリーを抑えることに意識を向けるあまり、タンパク質が不足することは十分にあり得ます。
なお、私自身は我慢が嫌いなので、ダイエットはしないのですが、肉や魚よりもお菓子や果物が好きなので、小腹が空いたときはそれらで済ませることがよくあります。しかも、このところの自粛生活で外出がままならず(個人的にはアレルギーのせいもあるのですが)、まるで動いておりません。体感的に脂肪沈着している気がかなりするのですが、いったいどうすればいいのでしょうか?
「不摂生を続けていると、脂肪沈着は、ほんの1、2週間ですぐに始まります。が、一方で、改善もしやすいんです。生活を改善すれば、1、2週間で脂肪沈着は改善されていきますよ」
先の脂肪肝だった女性も、西崎先生の指導により、生活改善を行ったところ、脂肪肝から脱せられたとか。
生活改善の内容が気になります!
そこで、次回は肝臓の状態をチェックする血液検査の見方や、肝臓によい食事やサプリなどをご指導していただきます。こうご期待!
●資料提供
東海大学附属東京病院健診センター
西崎泰弘(にしざき やすひろ)先生
東海大学医学部付属病院健診センター長、東海大学医学部基盤診療学系健康管理学 領域主任教授、東海大学健康推進センター伊勢原健康推進室長、東海大学医学研究科バイオ研究医療センターライフケアセンター・センター長、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員(新開発食品評価調査会)、日本肝臓学会専門医、指導医。著書に『イラスト図解 検査のしくみ・検査値の読み方』(日本実業出版社)など。
Column
にらさわあきこの日々是実践美容道
新人美容研究家のにらさわあきこが取り組む美容道。アラフォー超えて、本格的に真剣に取り組むことになった「美容体験」や「美容習慣」の考察記。
2021.05.26(水)
文=にらさわあきこ
写真=松本輝一