中医学の教えとイタリア料理の共通項を見出し自然の移り変わりに沿った料理を提案している新田玲子さん。新緑の季節にふさわしい養生レシピを教わりました。
イタリアの家庭料理も 養生の知恵の宝庫!
「春は陰から陽に転じ、伸びやかに成長する季節。冬に凝りかたまった心身が解放されていきますが、気持ちが明るくなると同時に興奮しやすくなり、それが胃腸にも影響を与えます。情緒が不安定になり、不眠やイライラ、疲れや無気力などが起こりやすいのも特徴です」と、イタリア料理家で、薬膳を学ぶ新田玲子さん。
それらの不調を改善するためには、気や血、体の水分を補い、胃腸をいたわる食生活が重要。そして気、血をスムーズに巡らせ、ストレスを発散し、ゆったり過ごすことが大切と、新田さん。
気を補う食材は、じゃがいもやいんげん、キャベツやブロッコリー、米など。血を補うのはにんじん、ピーナッツ、レーズン、水分を補うのには、アスパラガスや小松菜、いちごなどが挙げられる。
これらの食材を意識して食べることで、不調を先まわりして予防するのが薬膳の目的だ。
「生ものは胃に負担がかかるので、野菜も火を入れたり、スープやリゾットなど温かいものを食べて胃腸をいたわりましょう。火を入れることでかさも減るので、たっぷり食べられます。飲みものでは、薬草でつくられた食前酒や、不調を緩和するハーブティーなどもおすすめです」
2021.03.09(火)
Text=Noriko Tanaka
Photographs=Aya Sunahara
Styling=Mariko Nakazato
Cooperation=AWABEES、UTUWA