ゆったりとした気持ちで過ごせる空間づくり

 160平米という4人家族には十分な広さだが、個室は夫婦の寝室と2つの子ども部屋だけ。それ以外はコーナーでゆるく区切り、家族の気配を感じながら1人の時間も楽しめる空間に。

 家にこもることが多くなった今も、ゆったりとした気持ちで過ごしているという。中でもYさんのお気に入りは、キッチン脇の奥まった場所にある小さめのテーブルを置いたセカンドダイニングだ。

「家族が外出した後にゆっくり本を読んだり、子どもの習い事の書類を整理したり、1人で集中したいときもここで。コンパクトで落ち着くので、気づくと長時間過ごしています」

 朝食や夜食をとることもあり、家族がリラックスする場所としてしっかり機能している。

 それぞれのコーナーには北欧デザインの間接照明が置かれ、夜はやわらかい光に包まれる。灯りをつけない昼間でも絵になり、ホテルのバーやラウンジのようにちょっと贅沢な気分になれる空間だ。

 北欧の椅子と間接照明で、くつろぎの場所を演出したYさん。ちょっとした非日常が、家で過ごす時間を特別なものにして、心にゆとりをもたらしている。

最近整理したもの「子どもの服」

 整理整頓が得意で捨て魔だというYさんも、子どもの服だけは別で増えてしまう。

「サイズアウトしたものや、なんとなく買ったまま着る機会が少ないものを処分しました。ここには、娘が気に入っている服と習い事の衣装を収納しています」

 ハンガーバーを子どもにも手が届く位置にして、子どもが自分で身支度をする練習も始めさせた。

FILE[インテリアデザイン]

http://file-g.com/

今は旅よりここが心地いい
ステイしたくなる部屋

2020.11.01(日)
Text=Noriko Kiuchi
Photographs=Hirotaka Hashimoto

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

きれいな人がしてること。

CREA 2020年11・12月合併号

揺らがない自分でいるための習慣&コスメ
きれいな人がしてること。

定価820円

様々な業界で活躍する人たちの人生を支えてきた習慣とは? 大切にしている美の価値観とは? 時に悩みながらも、美容を通して“自分らしさ”に真摯に向き合ってきた“あの人”に取材。そこから見えてきたのは、揺らがない自分でいるための美容でした。