自由に旅がしづらくなった今、家にいる長い時間を旅先で過ごすようにリラックスしたものにできないだろうか。目標は「ステイしたくなる」部屋作り。

 そこで、家が一番心地いいと感じている3組のご自宅を訪ね、リラックスできるポイントを探ってみた。


夫婦2人暮らしにちょうどいい空間にしました

●今回紹介するのは……

長野県・軽井沢在住
K・Oさん[会社員]、Y・Oさん[主婦]の2人暮らし
ワンルーム、約70平米

 長野県・軽井沢の木立の中に佇む山荘風のセカンドハウス。玄関を入るとすぐ目の前にダイニングがあり、左手にリビング、右手にベッドスペースがある。

 ゆるやかにスペース分けされた約70平米のワンルームは夫婦2人暮らしにちょうどいい広さだという。

 完成したのは2019年の秋。その後、新型コロナウイルスの影響によりOさん夫妻の暮らしは都内マンションからここでのステイヘシフトしつつある。

 「もともと旅をするタイプではなかったので、長期の旅行をしない代わりにセカンドハウスを持ってみようと。リタイア後にゆったりと暮らせる拠点も欲しかったので」と夫のKさん。

 ここで過ごす時間にはこれまで味わったことのないくつろぎ感があるという。

 「平米数でいうと東京のマンションよりも狭い。でも不思議なくらい開放感があり、ゆったりと過ごせます。

 これまで快適な家の条件として当たり前と思っていた概念を取り払ったら、あっさりと価値観が変わりました」とKさんは笑う。たとえば間取り。

 「人が来た時のことを考えると、やはりもうひと部屋作ったほうがいいのではと思いましたが、年に数日のことを考えるのではなく、1年に300日以上の日常をぜいたくに、特別なものにしたほうがいいという設計者の考えに納得し、動線のいい仕切りの少ない空間にしました。

 これが開放感の大きな理由かもしれません」というのは妻のYさん。ダイニングテーブルは、人が増えた時に広げられるエクステンションタイプ。

 テラスも必要以上に大きくしないことで、朝食や夕食を2人で食べるのにちょうどいいプライベート感にあふれている。

2020.10.28(水)
Text=Yoko Maenaka(BEAM)
Photographs=Hirotaka Hashimoto

CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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