クールでミステリアスな“美女”のようで、精悍な“青年”、はたまた、どこか危うげな“少年”のようでもある――アーティスト美弥るりかが表現する、もっと自由な美の可能性。
CREA WEBでは、CREA2020年11・12月合併号に掲載中のインタビューの一部を大公開します!
性別“美弥るりか”を個性にする

「性別“美弥るりか”」−−男性でも、女性でもない、唯一無二の存在。
その中性的なスタイルが魅力の美弥るりかさんは、理想の男らしさを表現する宝塚歌劇団の男役の中で、あえて“性”を排除し、性別不詳であることが個性となる−−そんな逆説的な倒錯美という、新しいジャンルを切り拓いた。しかし、在団中は男役としての自分の在り方に悩み、葛藤していたという。
「もともと宝塚の男役に憧れて入団し、男役としてやってきたものの、私は身長があまり高くなく、線も細かったので、いただける役は中性的なキャラクターが多くて、正直行き詰まりを感じていました。自分が思い描く理想と現実とのギャップに苦しみ、足りないところを補おうと必死でしたね。
でも、星組から月組へ移るとき、これまでの男役像に捉われずに、失敗してもカッコ悪くても、生まれ変わって、挑戦しよう! と思ったんです。女役もやるし、中性的な男役もやる。それを“ひと味違う男役”として、好きだと言ってくださる方もたくさんいらっしゃったので、『私の個性・長所として極めていこう』と、10年目にしてようやく思えるようになりました」
2020.10.26(月)
Text=Kyoko Murahana
Photographs=Takashi Yoshida(Makiura Office)
Styling=Chiaki Furuta
Hair & make-up=Tomoko Okada(tron)
CREA 2020年11・12月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。