京都、札幌で珠玉の名作が並ぶ写真展を巡回開催

1978年に撮影された「リヴォリ通りのスモック姿の子供たち」は、見る者すべてを微笑ませてしまう。ドアノーがパリの子供たちに寄せる視線は、いつだって優しく温かい

 94年に逝去するまで、世に送り出したマスターピースは枚挙にいとまがない。その名は知らずとも、誰もが彼の写真を目にした経験があるといっても過言ではない。ヒューマニズムにあふれた視線がとらえたドラマは、忌憚のない人間賛歌として、時代や国境を超え、見る者を幸福感に満ちた世界へと誘う。今回の写真集には、その魅力がふんだんに詰め込まれているのだ。

 同書の刊行にちなみ、「生誕100年記念 ロベール・ドアノー写真展」が巡回開催中。今後は、1月30日(水)~2月24日(日)にジェイアール京都伊勢丹 美術館「えき」KYOTOで、6月1日(土)~7月7日(日)には札幌芸術の森美術館で、同展が催される。会場に足を運び、ドアノーの作品が放つ香気をぜひ感じ取ってほしい。

 持ち運びにも便利なこの写真集を片手に、花の都を散策するのも楽しそうだ。次にパリを訪れる際には、スーツケースに忍ばせておきたい一冊である。

『パリ・ドアノー』
ロベール・ドアノー著
発行 クレヴィス
定価 1680円
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2013.01.24(木)