心を癒やされたい人も
とにかく「小松市」へ
美味しいものに心満たされたら、お次は心が癒やされるスポットへ。
小松市には、四季折々、美しい情景で旅人の心を優しく包み込む、とっておきの場所があります。
◆那谷寺
小松市を代表する名勝として名高いのが、那谷寺(なたでら)。
自然の岩山洞窟をご本尊として、養老元年(717年)に開山。
以来、1300年にわたって人々の篤い信仰を集め、秋の紅葉シーズンになると、その見事な光景を楽しみに全国からたくさんの観光客が訪れます。
また、大悲閣本殿や三重塔など、国の重要文化財に登録された建造物など、見どころも豊富。本殿の「胎内くぐり」では、この世に生きている諸々の罪を洗い流し、再び母の胎内から清く生まれ変わることをお祈りします。
そして、那谷寺でもうひとつ素晴らしいのが、ふかふかのじゅうたんのように苔むした庭。参道を散策するだけで、心の奥底から安らいでいくのを実感できるでしょう。
那谷寺
参拝時間 夏季 8:30~16:45/冬季 8:45~16:30
拝観料 600円
http://www.natadera.com/
◆苔の里
もっとたっぷりと苔の癒やしパワーを感じたい、という人には、苔の里がおすすめです。
ひっそりとした癒やしの空気感を大切にしたいから、実はあんまり人に教えたくない……。
そんなとっておきの場所です。
人口わずか30人にも満たない小さな集落、日用町(ひようまち)。
この集落では、古くから人々は苔とともに暮らしてきたといい、奇跡のように残された里山の風景のなかに、みずみずしい苔の庭園が一面に広がっています。
観光客も比較的少なく、静寂に包まれながら愛でる苔の美しさは格別です。
これぞまさに心の贅沢といえるでしょう。
現在は、地元の人々と苔を愛するボランティアの手によって、この景観が大切に守られています。
私有地を限定的に公開している場所ですので、見学の際は、くれぐれも苔を踏んだり、自然を傷つけることのないようにご注意を。
苔の里
環境整備協力金 500円
※訪れる前に、休園日や訪問の際の注意事項などをウェブサイトで確認を。
https://kanan-project.jimdo.com/苔の里/
◆安宅住吉神社
那谷寺で清く生まれ変わり、苔の里で奥深く癒やされたあとは、締めくくりとして、安宅住吉神社で参拝を。
弁慶の勧進帳の舞台となった安宅の関に鎮座する、小松市きっての開運スポットです。
境内には、「君が代」にも歌われている「さざれ石」や、「弁慶逆植松」などの見どころのほか、その甲羅を左・右・左と撫でると延命長寿・末広がりの幸福を授かれるという「神亀石」などがあります。
そして何より、この神社のご利益といえば、難関突破。弁慶の機転により、安宅の関という難所を無事に通過した故事にちなみ、試験や面接はもちろん、仕事、恋愛、家庭……、さまざまな難関突破をお祈りしていきましょう。
安宅住吉神社
参拝時間 8:30~17:00(境内自由)
http://www.ataka.or.jp/
また、安宅住吉神社のすぐそばには、勧進帳の名場面をダイジェストで上映している「勧進帳ものがたり館」や、青い海を望むカフェやショップがある「安宅ビューテラス」も。
参拝後のひと休みにぜひ立ち寄ってみて。
2019.10.24(木)
文=矢野詔次郎