そして、最後にご紹介したいのが
これから断然注目の「小松市」体験
とにかく楽しいことがいっぱいの小松市。最後にご紹介するのは、これから注目したい、小松市ならではのアクティビティです。
◆日本遺産・滝ヶ原地区
小松市を中心とする一帯は、古墳時代から切石文化が受け継がれてきました。
中世になると石鉢から石仏に至るまで、この地ではさまざまなものが石で作られるようになったといいます。
江戸時代後期になると金や銅、鉱石の採掘がはじまり、大正時代には鉱山機械を製造する小松製作所(KOMATSU)が設立されました。
九谷焼が誕生したのも、この一帯で産出される上質な陶石があったから。また、国会議事堂に使われている石材も、実は小松市で採掘されたものです。
そんな小松市の切石文化を今もなお守り続けているのが、のどかな田園風景が広がる滝ヶ原地区。
ここには、この道一筋、半世紀以上という石彫りの名人、中谷 篁(たかむら)さんの工房があります。
現在、こちらの工房では、実際に石彫りを体験することが可能です。
実際に何を彫るかは、好みに合わせていろいろ選ぶことができます。
表札に名前を彫ったり、オブジェに挑戦したり……。
人気があるのは、一塊の石のハートの形に彫り上げていくもの。初心者でも簡単にできて、しかも完成したときの感激も大。
石彫りの世界は、彫れば彫るほどに奥深く、技術を磨けばそれでよし、というわけにはいかないのだとか。
精神を集中して彫り進める際には、まさに石の声を聞き分けるような、そんな感性も必要になるのだといいます。
ちなみに石彫り体験の参加者の多くは女性。すっかりその魅力に惹き込まれて、定期的に彫りに訪れる常連さんもいらっしゃるそうです。
そして、もっとディープに石の世界を知りたい人は、現在も採掘が行われている、現役・本物の石切り場へ。
とても危険な現場なので、通常は立ち入り禁止の坑道内をガイドさんの案内のもとに見学できます。
静まり返った坑道。ひんやりとした独特の空気に包まれながら、闇に沈む奥へと進んでいきます。
ふと壁を見ると、そこにはなんとも神秘的な模様が……。
かつてここには地底人が住んでいた……なんて言われたら、信じてしまいそうです。
なお、この石切り場見学。来春より本格的にスタートする予定とのこと。
またひとつ、小松市ならではのユニークな体験の誕生です。
いしかわ体験ランドClub
石彫り体験、石切り場見学は要予約。お問い合わせはフェイスブックから。
https://www.facebook.com/taikenlandclub/
ここにしかない美味、ここにしかない癒やし、そして、ここにしかない体験……。
とにかく、心弾むあれこれがいっぱいの小松市。
こんな魅力を知ってしまった以上、もはや空港から金沢へ直行なんてできないはず。
今度の北陸は、小松市をお目当てに旅してみてはいかが?
こまつ観光物産ネットワーク
小松市の観光情報全般はウェブサイトをご覧ください。
http://www.komatsuguide.jp/
※この取材は2019年8月末に行いました。
2019.10.24(木)
文=矢野詔次郎