ほかにも山の芋でつくった大学芋や黒豆食パンも

 普通のとは違う、ここにしかないどら焼き。極上素材を使い、ていねいに手作りされているので、お値段は少々しますが、そこは高級住宅街・芦屋のお店。手土産にいいと、リピーターも多いよう。ケーキの名店がひしめく街で、和洋をミックスした個性派として人気を集めています。何より、手で持って食べられるどら焼きの気軽さがいいのかも。

大学山の芋 1パック945円

 どら焼きと一緒にケースに並んでいるのが、「大学山の芋」。大学芋といえば、さつまいもなのですが、ここで使っているのは、丹波篠山産の山の芋。沖縄産のさとうきびを使用した本和香糖をキャラメリゼしてからめてあります。クルミが入っていてとても香ばしい。山の芋は、ほっくり、まろやかで上品な口溶け。こちらも、どこにもない味わいのおやつです。ほうじ茶で、ほっこりいただきたい。

黒豆食パン 1斤462円

 お店の棚に並んでいるのは、湯だね製法でもっちりした生地が特徴の食パン。特に、近又の伝統の製法でやわらかく煮た黒豆がたっぷり入った「黒豆食パン」は、オープン以来の人気商品。やや厚めにスライスしてそのまま食べれば、ほんのりした黒豆の甘味が広がっておやつのように楽しめるパンです。そして、新商品として11月4日から「近又謹製揚げぱん」が登場。丹波篠山の黒豆、山の芋、丹波産の「こだわり卵」を使って、油は「べに花油」、砂糖は「和三盆」と、こちらもこだわりがいっぱい(近又謹製 揚げぱん158円、近又謹製 黒豆揚げぱん263円、近又謹製 山の芋揚げぱん263円)。

 店内に使われているのは、栗の木の材。飾られている書や焼き物もすべて篠山の作家さんのもの。「篠山の良さをもっと広く知ってほしい」と、すべてに篠山産を極めるお店です。でも、これらのお菓子やパンは、篠山では買えません。篠山発でなく、食やスイーツにこだわりたっぷりの街・芦屋発信というのも、ちょっとおもしろいと思いませんか。

SASAYAMA KINMATA
所在地 兵庫県芦屋市茶屋之町4-12-103

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2012.11.11(日)