民芸品や古道具を扱った
セレクトショップ「地衣荒物」
台北市西部に位置する大稲埕エリア。ここは淡水河の畔にあり、かつては交易で栄えた歴史をもちます。
家並みには往時の面影が残り、最近はこうした老家屋をカフェやショップにリノベーションする動きが盛んです。
ここ「地衣荒物」もそうしたリノベ空間の一つで、築70年以上の趣ある建物を利用しています。

木のぬくもりが感じられる居心地の良い店内。ここには台湾の民芸品や古道具を中心に、現代作家の工芸品も並べられています。
イ草や籐で編んだカゴ、棕櫚(シュロ)の箒、鉄製のハサミ、アンティークの器やコップ、陶器のお皿や革製品など。
さらに、漢方入りキャンドルや米袋をリメイクした買い物バッグなどのオリジナル商品もあります。

「地衣荒物」を経営するのはデザイナーであり、ダンサーでもあったというバイオ(謝欣翰)さんとデザイナー仲間のMulan (楊詩音)さんとPun(黄健龐)さん。
3人は天然素材のカジュアルウェアを扱った新潟のブランド「omake」の台湾店で働いていた時に知り合いました。
現在も店では「omake」の商品を扱っています。このほか、日本人作家の工芸品も置いてあり、ちょっとした日台文化の交流の場にもなっています。

商品を選ぶ際には、「伝統的でありながらも現代的なセンスが感じられるモノ」、そして、「長く使えば使うほど味わいが出てくるモノ」を基準にしているとのこと。
こうして選ばれた商品の一つ一つには、職人や作家など作り手の魂が感じられます。
バイオさんはこうしたモノに秘められたストーリーや美しさを一人でも多くの人と分かち合いたいと願っているそうです。
なお、商品は数に限りがあったり、一点モノが多かったりするので、お気に入りが見つかったら迷わずに購入することをおすすめします。

2019.02.27(水)
文・撮影=片倉真理