富士登山をさらに豊かなものにする
リゾートでの時間
![昔から日本人が憧れと畏敬の念を抱いてきた霊峰富士。「グラマラス富士登山」では文化遺産としての富士山にも触れる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/d/-/img_1d155e8f7e5b9a5ec3ca01535df3b191176213.jpg)
「グラマラス富士登山」のスケジュールは2通り。ひとつは、「星のや富士」に前泊し、翌日に富士山を目指すコース、もうひとつは富士山から下山後に「星のや富士」に後泊するコースだ。前泊、後泊それぞれに、富士登山をサポートするアクティビティが提供される。
![北口本宮冨士浅間神社の境内にある、吉田口登山道の起点となる祖霊社。自然遺産ではなく「信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産に登録された富士山の文化的背景も興味深い。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/-/img_5948ce205a4aa327f1ea66165d804c2d382871.jpg)
前泊コースでは、北口本宮冨士浅間神社を参拝し、登山の安全を祈願する。ここは、1900年以上の歴史を持つ、富士登山道の入り口でもある。
かつては修験者たちの修行の場だった富士登山が、「富士講(信仰による参詣登山)」として一般人に広まった江戸時代後期、そして大ブームとなった今日にいたるまで、富士山が持つ歴史に触れるのも「グラマラス富士登山」の特徴だ。
ただ身体を動かし爽快な気分を味わったり、絶景を楽しんだりするだけではなく、知的好奇心も満たしてくれる。
![富士山周辺に数社ある浅間神社で授かったご朱印。地元の織物で作られた色鮮やかな表紙が特徴の御朱印帳なら、旅の記念にもなる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/9/-/img_6933007760602e0738e631733811b2ad180117.jpg)
![前泊コースで体験するのは行動食作り。ナッツやドライフルーツをチョコレートで固めて冷やす。完成品はきれいにラッピングして出発時に用意してもらえる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/1/-/img_713528ae4a27479d93ee820f9e219ed1182344.jpg)
参拝の後は、「星のや富士」に戻って行動食づくり。行動食というのは、登山に携行する食料のこと。材料はチョコレートやナッツ、ドライフルーツ、シリアル、キャラメルなど。
「カロリーが高いものばかり!」と一瞬ひるんでしまうが、長丁場の富士登山にこまめなエネルギー補給は必須。一般的には味気ない行動食を、こうして自分で作るのも楽しい。
![前日は、ガイドの近藤さんにより念入りな装備のチェック。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/-/img_6d7f81a521b312c6c6e23728f6e15724357512.jpg)
いよいよ富士登山を直前にして、ぶり返す不安を一掃してくれるのが、「富士山登山学校ごうりき」のガイド、近藤光一さんによるレクチャーと装備のチェックだ。
靴をレンタルしている場合はサイズに問題がないか、体調は万全か、翌日の天候などを再度、ここで確認する。近藤さんと話して安心した後は、寝心地のいいベッドで眠り、あとは出発を待つだけ!
![後泊コースにつくのはフットトリートメント。ヒノキまたはローズのオイルを使い膝から下をもみほぐす。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/-/img_468d09d15aacc64edd4263781c0f2a0e170385.jpg)
もちろん、後泊の場合も、直前のレクチャーはしっかりと行なわれる。後泊パターンのスペシャルは、登山でパンパンにむくんだ脚のトリートメント。先に泊まるか、後に泊まるかは、好みやスケジュールしだいだ。
2018.09.30(日)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵