目指すは“日本のザ・ロック”!

――主演映画のクランクアップ時には、「40歳になっても、こんなに一生懸命になれるものがあって嬉しかった」と、泣きながら言われたそうですが、今後も俳優活動をされていく予定ですか?

 ひとつの作品をみんなで作り上げていく熱量を感じましたし、幸い年齢に関係なく必死になれるものが見つかり、そのチャンスを得た気がしました。一生懸命すぎて、まだ演技をすることの面白さ、楽しさには到達できていませんが……。ただ、チャンスがあれば、これからもやっていきたいと思います。綾野剛さん、伊藤英明さんと並んで、岐阜県が生んだ三大俳優の座を密かに狙っています(笑)。いや、“日本のザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)”になれるよう頑張ります!

――仮面ライダー好きで知られる棚橋さんだけに、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』では怪人・ロボルバグスターを演じられましたが、俳優としての最終目標は、やはりライダー役ですか?

 ライダーのファンは世界観を大切にされるので、いちど怪人役をやってしまうと、さすがにライダー役はもう来ないと思うんですよ。でも、「牙狼〈GARO〉-阿修羅-」で、牙狼になれたのは嬉しかったですね。僕、ヒーロー願望が強いというか、喜んでほしかったり、楽しんでほしかったり、誰かの役に立ちたいんです。

棚橋弘至(たなはし ひろし)

1976年11月13日生まれ。岐阜県出身。立命館大学法学部卒業後、99年に「新日本プロレス」に入門。同年、真壁伸也(現・刀義)戦でデビューし、日本人離れした肉体で、団体最高峰のベルト・IWGPヘビー級王座に輝く。第56代IWGPヘビー級王者時代には、当時の歴代最多防衛記録を達成するほか、今年のG1 CLIMAX 28では3年ぶり3度目の優勝を果たした。

『パパはわるものチャンピオン』

いつも優しい父・孝志(棚橋弘至)が嫌われ者の悪役レスラー、ゴキブリマスクであることを知って、最初は恥ずかしく思っていた息子の祥太(寺田心)。だが、懸命に戦うゴキブリマスクの姿を見るうちに、次第に気持ちが変わりはじめていく。
http://papawaru.jp/
2018年9月21日より、全国公開
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2018.10.05(金)
文=くれい響
撮影=白澤 正
スタイリスト=小林洋治郎(Yolken)
ヘアメイク=山田みずき