単身参加ならではのメリットも実は数多い

 団体ツアーというと、旗を持ったガイドの後ろをゾロゾロ歩き、名所ごとに記念写真を撮影し、バスの中ではマイクが回ってきて自己紹介を行う――。実際に参加する前に抱いていたベタなイメージは、心地よく裏切られた。現在の団体ツアーは、もっと自由度の高いものに進化しているのだ。

著者がこれまで団体ツアーで訪れた国は、ペルー、モロッコ、エジプトなど。トルコには3回訪れているが、どんなクラスのツアーに参加しても食事のレベルは高いという

 一時的にツアーから離れて自由行動を行う「離団」が可能だったり、一人参加限定のツアーが企画されていたり、また、単身参加者同士の相部屋を希望すれば一人部屋追加料金を支払わなくてもよかったりと、最新のツアーには、お一人様にも優しい配慮がいっぱい。また、複数人での参加者より豪華な部屋が回ってくることがある、ガイドとのコミュニケーションが取りやすいなど、一人参加ならではのメリットも実は数多いという。

 リピーターだからこそ描きえた団体ツアーの人間模様は、ユニークで微笑ましい。サハラ砂漠でラクダにまたがりながらみんなで「月の砂漠」を合唱したり、体調を崩した著者を年配のツアー仲間がこぞって看病してくれたエピソードなどは、まさに団体ツアーならでは。

 海外ツアーへの一人参加は、意外にハードルが高くない。そんな現実を教えてくれる好著なのだ。

「女ひとりで海外団体ツアーに参加してます」
メディアファクトリー ¥998 たかさきももこ・著
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2012.06.29(金)