開湯600年を誇る
長門湯本温泉で憩う

 思い切り体を動かしたら、温泉で疲れをリリース。多彩な温泉地を保有することで名高い山口県。なかでももっとも古い歴史をもつ「長門湯本温泉」は、別名「美肌の湯」と呼ばれ、特に女性に支持されている。

 高いアルカリ性の泉質は肌にやわらかくなめらか。日中の疲れを癒しながら、美肌ケアもできる、一石二鳥の湯がうれしい。

「長門湯本温泉」は、室町時代に、住吉大明神のお告げにより発見されたと言われる。約600年にわたり人々を癒してきた、歴史と趣を感じる幻想的な温泉街を、そぞろ歩いてみては。
遊歩道沿いにある「おとづれ足湯」。疲れた足をゆるりとほぐしてくれる。

長門の湯を愉しむ
ふたつの湯治宿

◆別邸 音信(おとずれ)

庭園の緑が映り込む広々としたロビー。右手奥には茶室があり、ゲストはまずそこでもてなされる。

 長門湯本温泉の老舗旅館「大谷山荘」に隣接した「別邸 音信」は、洋石材を用いたコンテンポラリーで重厚感のある設えでありながら、館内の廊下は畳、風が通り抜ける設計、寛ぐ空間は和室であることなど、和の「香り」と、日本文化の「粋」を感じることができる。高級感と開放感を兼ね備えた、現代の湯治宿として、新しい滞在スタイルを提案している。

部屋は7タイプ、18室。写真は、タイプDの和洋室メゾネット、源泉かけ流し露天風呂付のタイプ。外にはデッキチェアと露天風呂があり、上階ではホームシアターを楽しむことができる。
「別邸 音信」の大浴場。肌にやさしい、柔らかな泉質が女性に人気。部屋の露天風呂とあわせて、楽しみたい。

◆大谷山荘

 「大谷山荘」でも、音信川の四季折々の表情を楽しめる。自然と調和した空間づくりは、部屋はもちろん館内のいたるところで見受けられ、一歩足を踏み入れた瞬間から寛ぎのときがはじまる。

和室、露天風呂付客室、洋室などさまざまな部屋タイプがあり、シーンに合わせて選べるのがうれしい。部屋ごとに眺望の趣が異なるので、訪れるたびに違う部屋に泊まるのも一興だとか。
2つの大浴場で合わせて11通りのお湯があり、温泉三昧を楽しめる(サウナも含む)。写真は檜露天風呂。木の温もりと香りを感じながら、心地よい清流のせせらぎに耳を澄ませ、思い切り羽を伸ばして(※大浴場は男女入れ替え制)。

大谷山荘/別邸 音信
所在地 山口県長門市湯本温泉

●大谷山荘
電話番号 0837-25-3221(代表)
http://www.otanisanso.co.jp/

●別邸 音信
電話番号 0837-25-3377
http://otozure.jp/

2017.09.02(土)
文=吉村セイラ
撮影=佐藤 亘