vol.03 Georg Jensen (ジョージ ジェンセン)
バングル「ヴィヴィアンナ デュウ ドロップ」
毎年、夏が近づくと気になるのが手元のあしらい。夏は腕が露出することもあり、バングルやブレスレットで艶をたすと、ぐっとおしゃれに見えます。私自身も、普段からブレスレットを幾重にもレイヤードしていますが、この夏気になっているのが、一本で絵になるアーティスティックなバングル。シンプルなワンピースも、存在感があるバングルをするだけで、モダンな印象になります。
ジョージ ジェンセンのシルバーバングルは、私がとても気に入っているアイテム。知的で透明感のあるデザインは、北欧のブランドならではだと思います。中でもこのバングルは、大好きなデザイナー、ヴィヴィアンナ トールン ビューロ ヒューベが手掛けたデザインのアーカイヴ作品。オーバル形のグリーンアゲートを主役にしたシルバーのバングルは、吸い込まれそうな湖面をのぞき込んでいるかのような雰囲気の、静謐な美しさに満ちたデザインに惹かれます。
こういうバングルは、単におしゃれに見えるだけでなく、その女性の個性が感じられる気がするのです。自分の尺度で選んだバングルをひとつ。それだけで「スタイルのあるおしゃれ」になるのです。
1967年から生涯を閉じる2004年までジョージ ジェンセンにデザインを提供したヴィヴィアンナ トールン ビューロ ヒューベ。世界的な名声を得た女性銀細工師の先駆けだった彼女は、早くからパリに渡って活動を開始し、モダニズムとメッセージ性の高いジュエリーを作り続けた。こちらは、デザインされて以来、長年販売されることのなかった貴重なコレクションで、自然のシンプルな美からインスピレーションを得たデザイン。
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。
Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2017.07.03(月)
styling=Misaki Ito
photographs=Masami Naruo(SEPT)
make-up=Tomohiro Muramatsu(SEPT)
hair=Kota Suizu(SEPT)
text=Miwako Yuzawa