性格のまったく違うカップルが織り成す恋愛模様を綴った、瀬尾まいこの小説を映画化した『僕らのごはんは明日で待ってる』で、主人公の親友役を好演する岡山天音。年々公開作が増えている彼が思う、“友人”を演じるうえでの心得とは?

すべてのきっかけは「中学生日記」

――09年、NHKドラマ「中学生日記」の全国オーディションを経て、「シリーズ・転校生(1) ~少年は天の音を聴く~」で俳優デビューされた岡山さんですが、なぜ「中学生日記」だったのでしょうか?

 あのドラマは小学生の頃から観ていた、とても好きな番組だったんです。漠然と芸能界に対する憧れはあって、ドラマに出ている生徒役のほとんどが一般の中学生から選ばれていることを知り、「好きな番組に出たい!」という気持ちからオーディションを受けることを決めました。

――当時は15歳だったと思いますが、なぜ、現在の事務所(ユマニテ)に所属するまでになったのでしょうか。

 「中学生日記」の世界に演者として参加したことが、15年間生きてきた中でいちばん楽しかったんです。それで、もっと撮影に参加したい、演技をしてみたいという思いが強まって、雑誌で今の事務所のオーディションがあることを知り、応募しました。

――とはいえ、それまで本格的な演技の勉強をしていなかっただけに、挫折のようなこともあったのではないでしょうか?

 「中学生日記」は、脚本家と監督が僕の家まで来て、僕の中学生としての生活をいろいろリサーチしたうえでの当て書きだったんです。その時はお仕事という感覚はなかったですし、背負うものがなく、好き勝手に演じさせてもらっていたのですが、事務所に入ってから受けたレッスンで、チェーホフの「かもめ」とかをやっていると「スゴい世界に足を突っ込んでしまった!」と思いました。

2016.12.23(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=檜垣健太郎(little friends)
ヘアメイク=佐々木 彩