2年に一度開催されるホイットニー・ビエンナーレ

 3月のニューヨークは、春の訪れを待ったかのように、意欲的なアートイベントが目白押しだ。

 まずはアッパーイーストサイドにあるホイットニー美術館。バウハウス出身の建築家マルセル・ブロイヤーの設計によるモダンな建物で知られ、1931年の設立から一貫してアメリカの近代・現代アートに焦点を絞った活動を行っている。

 ここで2年に一度開催されるホイットニー・ビエンナーレは、アメリカの現代アートの最新傾向を紹介する展覧会として世界中から注目を集めている。

 3月1日に開幕する今年のビエンナーレには51組のアーティストが参加。マイク・ケリーのような有名作家から今後の活躍が期待される若手まで、多彩な顔ぶれが揃った。ニューヨークらしい最先端のアートに触れるには絶好の機会だ。

 特に今回は絵画、彫刻、写真、インスタレーションを手掛ける作家だけではなく、映画作家、舞踊家、ミュージシャン、劇作家なども作品発表を行う。そのなかにはヴィンセント・ギャロやヴェルナー・ヘルツォークといったビッグネームも含まれている。

 美術館の4階のフロア全体をこの種のパフォーミングアーツに開放し、今までのアートの枠にとらわれない、自由な表現の場にするという。

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2012.01.28(土)
text:Fumiko Suzuki