一口にボルドーワインといっても実はいろいろ
ボルドーワインを名乗るには、フランスのワイン法によるAOC(原産地統制呼称)の基準を満たしていなければならない。このAOC基準では、広いエリアから狭い村の名前のついたワインになるほど、産地の特色も限定されて厳しい基準になる。
このAOC基準の上にさらに級数で1級など別の格付けをされているワインもある。有名なメドック地区の5大シャトーなどは1855年のパリ万博に際してナポレオン3世によって格付けされた1級の超高級ワイン(ムートン・ロートシルトのみ1973年に2級から1級に昇格したもの)。
今回は、その格付けの中でAOCボルドー、AOCボルドー・シュペリュールに入るワイナリーを訪れるのだが、グラン・ヴァン・ボルドー連盟(FGVB)代表であるエルヴェ・グランドーさんに概要を聞く。
「ボルドーの生産地の呼称AOCは60ぐらいあって、その8割が“アントル・ドゥ・メール”というドルドーニュ川とガロンヌ川に挟まれた地域内。AOCボルドーとAOCボルドー・シュペリュールというカテゴリーで55%、それ以外にも有名なところではメドック地区やサンテミリオンなど含め数多い」
そして、「ボルドーワインは、アシッド(酸)とタンニン(苦み)のバランスがよくてさまざまな食との相性が最高。赤ワインが有名だけど、白、ロゼ、スパークリングも造っている。私のシャトーでも、今、消費が伸びているのはロゼ」と言って、シャルキュトリー(ハム、サラミなどの豚肉加工品)やチーズに合わせて、自らのワイナリーのロゼを薦めてくれた。
よく耳にするボルドー・ブレンドについて聞くと「ボルドーの赤ワインはブレンドのバラエティが豊かなことが特徴。うちは、カベルネ・ソーヴィニョンが30%、メルローが60%というのがベースで、これは標準的なボルドーのブレンド。後の10%はカベルネ・フラン、それにマルベックやカルメネールを使うこともあるね」と話してくれた。
2016.10.13(木)
文・撮影=小野アムスデン道子