シャトーの規模は大小さまざま

プラネット・ボルドーを案内してくれたPRのバンジャマン・サマコイツ・エチゴアンさん。「ここは、4月から10月末までは日曜のみ休み、その他は土日が休みです。それ以外はいつでもどうぞ」

 シテ・デュ・ヴァンから車で30分ほど、AOCボルドー&AOCボルドー・シュペリュール醸造家組合の本部「プラネット・ボルドー」を訪れる。ここは、ワインと観光のプロモーション促進をしていて、一般向けにもいろいろな情報提供をしている。AOCボルドーとボルドー・シュペリュールのワインが1001種類揃うカーヴがあり、生産者価格で購入することができるお得な施設でもある。

左:ソーヴィニヨン・ブランとソーヴィニヨン・グリが50%ずつというボルドーの白。 爽やかさと深みのバランスがよく、サーモンにぴったり。
右:ランチにそれぞれご自慢のワインを持って参加の生産者たち。

 ボルドーは、赤ワインが日本では有名だが、実はブドウ品種がとても多様、そして生産者の規模も家族経営の小さなシャトーから何十名もの従業員がいる広大なシャトーまで、これまたいろいろ。ランチに集まった3名の地元生産者も、日本にすでに輸出して何度も来日している人もいれば、10年前にボルドーのワインに惚れ込んでいきなり土地を買ってワイン造りを始めたという人も。

Planète Bordeaux(プラネット・ボルドー)
所在地 RN89, 1 route de Pasquina, 33750 Beychac-et-Caillau
電話番号 05-57-97-19-36
http://www.planete-bordeaux.fr/

シャトー・オー・ゴーサンのオーナーご夫婦。日本のワインコンクールに出品、銀賞も得ているが輸出はこれから。

 この日の午後に訪れた2つのシャトーだけでも対照的だった。最初に訪れた「シャトー・オー・ゴーサン」は、1974年に現オーナーの祖父が買った15ヘクタールの土地で赤ワインのみを造っている。

 「ボルドーの赤ワインは、昔は高価なワインをカーブに長年置いて楽しむようなスタイルだったので、重く余韻のあるタイプだった。今は、いろいろなワインをあちこちで買って、新鮮でフルーティなうちにすぐに飲むようなスタイルになってきた」と、ワイナリーに行って買うこだわりのワインより、手頃にスーパーで買えるワインを造る方針。家族経営の規模を守るのに、夜の内に収穫したブドウの鮮度を保つ低温発酵の施設などを自分の代で取り入れたという。

シャトー・ド・レイニャックのりっぱな門とその奥の広々とした敷地に驚く。見学は予約さえすれば、日曜以外は可能。

 その後に訪れた「シャトー・ド・レイニャック」は、77ヘクタールの規模のワイナリー。うち75ヘクタールが赤、2ヘクタールが白のワインを造っていて、赤は3種類。

ずらり並んだ最上級の赤ワイン「バルチュス」は毎年エチケットの色を変えるそう。

 減農薬で栽培するブドウはすべて手摘みで、常時いる従業員も45名。16世紀からあるシャトーを1990年にリニューアルして、最上級の「バルチュス」という銘柄では、オリジナルの新樽に入れて、発酵する樽内を毎日攪拌してまんべんなくうまみが行き渡るシステムを使う。

左:これが白ワイン用のエッグタンク。ブドウの澱が自然循環する形なのだそう。
右:試飲した3種類の2014年の赤ワイン。飲み頃までもう少しのものから20年待ちまで、やはりまだ渋い。

 白ワインは、樽香が強く出過ぎないように卵型のコンクリート樽を使用するなど、ブドウの特性に合わせて、工夫をしている。試飲した3種類の赤は、いちばん下のランクのものでも飲み頃は出荷から2年後。バルチュスは長期熟成タイプで、おいしい飲み頃になるまで理想的には20年待ち。

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2016.10.13(木)
文・撮影=小野アムスデン道子