2日目、駅までの送迎後はフリータイム

 ツアー2日目は、最寄りのまつだい駅までの送迎のみ。期間中に有料アートのすべてを見学することができる共通チケットが付いているので、電車で行けるアートスポットを自由に見てまわれます。

 まつだい駅から徒歩すぐの「農舞台」は、屋内外に約40のアート作品を展示。屋外作品は整備された山道を歩きながら、約2時間または1時間でまわれるモデルコースがあるので、運動不足解消にも◎です!

イリヤ&エミリア・カバコフの作品「棚田」。夏の風景。季節の移り変わりとともに、背景の風景も変化していくので、シーズンを変えてまた行きたい!

 まつだい駅から東京に帰るには、ほくほく線で越後湯沢駅に出ますが、途中で時間が許せば十日町で下車するのがおすすめ。十日町駅から徒歩10分ほどの場所にある美術館「越後妻有里山現代美術館[キナーレ]」があります。中央の池をぐるりと囲むように建てられた回廊式の美術館で、常設展のほか企画展も随時開催しています。

左:2016年夏には、中央の池を開放したイベント「水あそび博覧会」を開催。右下がアート作品の共通チケット。
右:設計は、JR京都駅などを手掛けた建築家の原広司氏。

 そして、この美術館はなんと温泉施設「明石の湯」を併設! アートをたっぷり堪能して最後は温泉でのんびり、広間もあるからもちろん「風呂あがりの一杯」もOKです。

 平日の忙しさもストレスも、全部忘れさせてくれる越後妻有への旅となりました。仕事をしているとどうしても考えてしまう「合理化」や「効率化」のこと。でも、山間の集落に点在するアートを巡るには、ひとつひとつを訪ねるしかありません。この「非合理的」なことこそが、このアートイベントの魅力のひとつ。離れた場所にある作品を訪ねることで、アートがなければきっと見ることもなかった里山の風景を胸に刻むことができ、その地に暮らす人との会話を楽しむことができました。

 思い立ったらすぐ行ける首都圏からの近さも魅力です。友だちと一緒に行くのもいいですし、ひとり旅でも楽しそう。実際に、今回のツアーでは20名くらいの参加者のうち、4人が宿泊オプションを付けた女性のひとり旅でした。

 これからも春夏秋冬、その季節をいちばん楽しめるツアーを企画するそうです。実りの秋、雪に覆われる真っ白な冬、芽吹きの春……次はどの季節に行こうかな。

越後妻有「大地の芸術祭」の里
http://www.echigo-tsumari.jp/

大地の芸術祭の里 日本三大渓谷清津峡の紅葉と絵本と列車をめぐる旅
日程 2016年10月29日(土)、30日(日)、11月3日(木・祝)、5日(土)、6日(日)
料金 一般 8,500円、中学生以下 6,000円
http://www.echigo-tsumari.jp/tour/tour_20161029_1106

アートと食とグランピングを満喫するスペシャルツアー
日程 10月1日(土)、8(土)、9日(日)、15日(土)、22日(土)、29日(土)
料金 一般18,000円、中学生以下14,000円
http://www.echigo-tsumari.jp/tour/tour_20161001_1030

大地の芸術祭の里 越後妻有2016秋
開催期間 2016年10月の土・日曜、祝日
料金 共通チケット 一般 2,000円、小中学生 500円
電話番号 025-761-7767
http://www.echigo-tsumari.jp/calendar/event_20161001_1031

2016.09.28(水)
文・撮影=CREA WEB編集室