アメリカ料理界のアカデミー賞にノミネイトされたパティシエ
もう1軒は、高級レストラン「MWレストラン」をお勧めしたい。パシフィック・リム料理としてもてはやされた、「アラン・ウォンズ」出身のご夫婦がやられているレストランで、ご主人のウェイド・ウエオカ氏がシェフ、奥様のミシェル・カーさんがパティシエで活躍されている。
料理では、冷たい卵のフランの上にポン酢グラニテとオマールを乗せた冷前菜、テンダーロインのグリルとオックステールのリゾットを合わせた皿、餅をまぶして揚げたフエダイに柚子胡椒とヴィネグレットソースで和えた素麺を添えた料理が面白い。
さらにそれに増して素晴らしいのが、奥様が作るデザート類である。パッションフルーツシャーベット、トロピカルタピオカ、パッションフルーツカスタード、グアバシフォンを合わせた「トロピカルフルーツブリュレ」。思わず笑顔になる、揚げたてのふわふわベニエ「MWドーナツ」。
酸味が深く、甘みとの調和が美しい、「メレンゲのレモンアイスサンドイッチ」。メレンゲに多くのトロピカルフルーツを合わせているのにも関わらず、微妙な変化で飽きさせない、センスの良さを感じさせる「フローティングアイランド」。様々な食感の苺を忍ばせた「氷苺」。
そしてハワイの山々に雲がかかる様を表現した姿が美しい「ココナッツケーキ」などなど、さすがアメリカ料理界のアカデミー賞ともいわれるジェームスピアード賞にもノミネイトされたパティシエのセンスである。
MW Restaurant(MWレストラン)
URL http://mwrestaurant.com/
<ハワイのダウンタウン>
ワイキキの西にあるオフィス街。1795年にカメハメハ1世が建国、約100年間王政を維持した「ハワイ王国」の中心的な場所で、現在も州政府庁などの官庁街と一緒に、ハワイ王国時代の歴史建造物が混在している。
最近は流行の最先端のスポットも数多く出来ているし、隣にはチャイナタウンもあるため、ショッピングとグルメの観光地として人気が高いが、夜はまだまだ危ない場所なので、注意が必要。
マッキー牧元(まっきー・まきもと)
1955年東京出身。立教大学卒。(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く。「味の手帖」 「銀座百点」「料理王国」「東京カレンダー」「食楽」他で連載のほか、料理開発なども行う。著書に『東京 食のお作法』(文藝春秋)、『間違いだらけの鍋奉行』(講談社)、『ポテサラ酒場』(監修/辰巳出版)ほか。
Column
マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、全国を飲み食べ歩く「タベアルキスト」のマッキー牧元さんが、旅の中で出会った美味をご紹介。ガイドブックには載っていない口コミ情報が満載です。
2016.08.18(木)
文・撮影=マッキー牧元