Column：新店来訪！美味しい出合いに一番乗り

人形町に料理1,500円均一のビストロ登場高級食材、贅沢な味でボリュームたっぷり

浅妻千映子

GOURMET

2016.6.6

特別サービスはないけれど、
2皿で完結する潔さがかえって新鮮で、心地いい

極太の「フランス産白アスパラガスのソテー」。

カウンター越しにシェフの動く姿を見ながらおしゃべりをしていると、ほどなくして料理が。出てきた白アスパラは、極太！大きな白皿からはみ出さんばかりに立派なものが3本も。バターでソテーしてあって、この上なく香ばしい。

噛めば、じゅっ、とみずみずしく白アスパラの甘い汁が出て口に広がるのです。ついシャンパーニュをおかわり。そんな気分になる、たっぷりと贅沢な味なのです。

3本付けの「仔羊のロースト」。

メインの仔羊は、骨3本分。付け合わせの野菜の多さも衝撃的です。この一皿、ほかのレストランなら「お二人でも分けられますよ」という量ではないでしょうか。

肉にはしっとりと火が通り、旨みもしっかり。グラスで注文した赤ワインの質もかなりいい。安くておいしいワインというより、王道の味で、大きなグラスにたっぷりと注がれ、これで1,000円というのはどう考えてもお得でしょう。

大振りなのがうれしい「ハマグリとキャビアの冷製」。

もう一方の組み合わせ、ちょっとつまませてもらったハマグリは、やはり特大サイズで味わいしっかり。なんといっても、しっかりとのるキャビアが嬉しい。

ステーキは、言葉通り、サーロインといえども赤身中心。でも、パサついたり、筋ばっていることはなく、心地よく噛みしめるおいしさです。添えられたサラダの量に、これまた仰天。

食後にデザートが1～2種類あるとのことでしたが、おなかに余裕なんてもうあるはずもなく。

付け合わせまでしっかりと食べると、本当にボリュームがあります。そして衝撃的な安さです。

特別なサービスなどもないけれど、突き出しもなく、2皿で完結する潔さがかえって新鮮で、心地いいです。あまり気取ってお洒落していく店というよりも、気心知れた友達やカップル、そして一人の食事にもおすすめ。

個人的には、個室での会食もありかな、と企んでいるところです。

シェ大竹
所在地中央区日本橋人形町1-5-8-2F
電話番号 080-5464-1099
営業時間ランチ 11:00～15:00(L.O.14:00)／ディナー 18:00～23:00(L.O.22:00)
定休日無休(土・日曜はランチ休み)
予算ランチ 1,000円～、ディナー一皿1,500円均一(一部を除く)。グラスワイン1,000円、ボトル3,500円～
URL http://www.chez-otake.com/
［2016年5月訪問］

浅妻千映子(あさづまちえこ)
1972年東京生まれ。聖心女子大学卒業。鹿島建設勤務を経て、フードジャーナリストに。「dancyu」などの雑誌や書籍で執筆活動を行う一方、料理研究家としてワインスクールであるアカデミー・デュ・ヴァンで料理講師も務める。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。