尿道結石、ヘルニア、メラノーマと数々の病を超えて

――やついさんは動物と一緒に暮らしたのはこぶしくんが初めてだったのですが、実際、一緒に暮らしてみてどんなことを感じられましたか。

やつい 最初は何もわからなかったので、こぶしと暮らし出してすぐ、近くにいたペットのしつけの仕方を教えてくれるトレーナーさんにお願いして、教えてもらってたんです。その人に「ちっちゃすぎて、人が構うと疲れてしまうから触らないほうがいい」と言われたので、最初は小さいケージに入れて遠くから見てました。早いうちに親から離されて寂しかったんでしょうね。深夜1、2時になると夜鳴きがすごくて、結局、かわいそうになって一緒に寝るようにしました。

 散歩するのを楽しみにしてたんですけど、散歩デビューの日、こぶしが一歩も動かなかったのは衝撃でしたね。毎日ちょっとずつ歩かせながら、遠くまで散歩するようにして。よく走らせてもいたからか、骨格がでかくなって。今はおじいちゃんなのでだいぶ痩せてしまいましたけど、当時は筋肉ムキムキだったので、パグ界のアーノルド・シュワルツェネッガーと呼んでましたね。

――10歳の時の病気というのはどんなものだったんでしょう。

やつい ご飯がよくなかったみたいで、尿道結石になってしまったんです。ずっと吠えてるからおかしいなと思って病院に連れて行ったら、石が1個どころじゃなく詰まっていて緊急手術することになりました。

 お医者さんから「やったことがない量の石なので、どうなるかわかりません」と言われながら成功したんですけど、「腰もおかしいから、もしかしたらヘルニアになるかもしれません」と言われて。結局、すぐ、ヘルニアになってしまいました。

 普通のヘルニアだったら治せたんですけど、元々、腰椎が1個少なくてずれてるから治すとなるとものすごく大変で。もう10歳を超えていたし、尿道結石の手術をしたばかりだったので、ヘルニアの手術はやめて今に至ります。今はゆっくりなら歩けるんですけど、そこから走れなくなりました。

 あと、13歳くらいの頃、口のところにメラノーマ(メラニン細胞がガン化してできる腫瘍)ができてしまったんです。

松嶋 誕生日旅行前に撮った写真には写ってなかったのに、帰ってきて1週間くらい経ってから歯を磨いていたら、口元にぼこっとしたものができていたんです。

やつい 2024年11月ですね。病院に行って検査したら超進行性のメラノーマで、大体はそれで命を落とすという危険なものだったのですぐ手術をしたかったんですけど、その病院ではできなかったので、専門の大学病院を紹介してもらったんです。80%が再発するらしく、定期的に検査してるんですけど、手術から1年経った今、サバイブできてます。こんなふうに生きていられるのは珍しいらしいです。

松嶋 いい先生に出会えてよかったです。「ほかにも気になってることはありますか?」と言ってくれて。パグのような短頭種って麻酔ができなくて。特ににこぶしは高齢で全身麻酔があまりできないので、手術しないでやり過ごしていた箇所がいろいろとあったんです。目の下のイボもそうだし、喉が垂れているのも治してくれて、いろんなことが一気に解決して助かりました。

次のページ 老犬と暮らすのは楽しい!