「ギテをたくさんの視聴者の方に応援してほしい」
――ヒョンビンさんへの質問です。今までにヒョンビンさんが演じた悪役というのは、大義のためにやむを得ず悪に手を染めるような人物だったんですが、今回演じるぺク・ギテは自分の欲望のために動いている悪役なのではないかと、1話目を観た限りではそう思えました。そんな自分の欲望のために動いているギテという役を演じる上で、何を一番重視しましたか?
ヒョンビン 単純に善と悪に分かれるというよりは、もっと多面性のある人間として見せるために、人物像をうまく積み上げるように努めました。このペク・ギテという人物は自分の欲望に忠実ではあるんですが、彼の欲望がどこからきているのか。またそれをどういうふうに表すのか。その姿が魅力的に映ってほしいなという思いがありましたし、観る方にも演技を通してギテの多面性を見出してほしいなと思ったんですね。だからそこに重点を置いて演じようとしました。
実はギテは単に自分の出世のためとか、自らの欲望のためというよりは、その根底には家族に対する責任感があるんです。さらに幼少期に彼が抱えていた欠乏感というか、不安みたいなもの。ギテはずっと何か満たされない思いを抱えていて、そこから強い欲望が生まれてきたのだろうという。そこをうまく表現したかったし、魅力的に見えるように意識して演じていました。私としてはギテをたくさんの視聴者の方に応援してほしいですね。
――悪いけど応援したくなるキャラクターなんですね。
ヒョンビン そうですね、応援してください。
――1話目ではハイジャックされた日本の飛行機内という設定で、日本語を話すシーンが多いですが、日本語の演技は大変でしたか?
ヒョンビン 私の日本語、どういう感じに聞こえましたか?
――きっとあの頃にはあんな感じの韓国人のビジネスマンがいたのでは、と思いました。
ヒョンビン 実はあのハイジャックされるシーンはすごく演じるのが難しかったんですね。それは日本語で芝居をするのが初めてということもありましたし、飛行機内で一緒に撮影したキャストがほとんど日本の俳優さんだったんですよ。ですから、彼らの中にうまく交ざらないといけないので、私としてはかなり準備をして、日本語の練習も、リハーサルも随分しました。ただ、ご覧になる皆様にどういうふうに映るのか、またどう評価していただけるのか、その辺がとても気になるところです。










