品質のよさとコストパフォーマンスの高さで、世代を問わず支持されている無印良品のコスメ。スキンケア、メイク、バスアイテムなど幅広いジャンルを展開し、「一度は手にしたことがある」存在として、多くの人の日常に寄り添ってきた。
そんな無印良品のコスメは、コロナ以降さらに大きく成長。2025年の国内化粧品企業の売上高ランキングでは、大手メーカーと肩を並べるほどの売上を記録し、存在感を一段と強めている。
今回は、多くの人を魅了し続ける“無印コスメ”の魅力を深掘り。ブランドのコンセプト、商品開発へのこだわり、ロングセラーアイテム誕生の背景まで――良品計画 ヘルス&ビューティケア担当・中野倫弥さんにお話を伺った。
特別なものより、使い続けられる手に取りやすい価格でよいもの
そもそもはライフスタイルブランドの無印良品。コスメの販売がスタートしたのはいつ頃だったのだろうか?
「無印良品の創業は1980年。コスメジャンルとしては、シャンプーやボディソープなどお風呂で使うようなアイテムを発売したのが最初です。スキンケア商品は1997年頃からスタート。当時は化粧品といえば嗜好性の高い商品であり、好みも人それぞれ大きく変わるため、そういったものをライフスタイルブランドである無印良品が作るべきなのだろうか、という議論もあったそうです」(中野さん、以下同)
実はコスメも、コンセプトは“特別なものではなく、毎日使い続けたくなるような商品”がテーマだそう。シンプルなデザインや、手の取りやすい価格設定も納得。
「いつでも、どんな時でも、年齢や性別も問わず、どなたでも使っていただけることが基本です。パッケージデザインはシンプルに、ボトルも同じ型を使っているものが多く、必要のない資材はなるべく使わないようにという考えが根底にあります」
手の取りやすい価格設定はどうやって維持しているのだろうか?
「コストは、容器の形やデザインを揃えることで抑えています。あとは、広告宣伝費よりも中身にお金をかけていいものを提供することを大切にしています。
価格帯で見ると、1,000円以下~3,000円くらいまでの商品が多く、中でも1,000~2,000円の商品がボリュームをしめています。環境を配慮して詰め替え商品も増えているため、リピーターのお客様はそちらを買っていただくことで少しお安くなっているともいえますね」










