フランス北東部に位置し、ヨーロッパの交差点ともいわれるアルザス地方。クリスマスツリー発祥の地としても知られ、11月末の待降節になると各地で“マルシェ ド ノエル”が開催されて、街中がクリスマス一色になる。
第1回目はおとぎの街「コルマール」の幻想的な光に溢れたクリスマスマーケットをご紹介。
» 第2回 中世気分を味わう街「リクヴィール」(12/22公開)
» 第3回 贈りもの、もうひとつ「アルザスのワイン」(12/24公開)
街全体がクリスマスのアイテムで彩られる12月
アルザスの首府・ストラスブールから南へ70キロ。アルザスワイン街道のほぼ中間地点にあるコルマールは、第二次世界大戦の戦禍を奇跡的に免れたため、旧市街にはコロンバージュと呼ばれる木骨組み家屋の街並みや石畳の道などが現存し、中世からルネッサンスの面影を今なお色濃く残している。
右:アルザスの郷土料理“ベッカオフ”用の土鍋。豚肉や牛肉のほか、じゃがいも、玉ねぎ、セロリなどの野菜を白ワインで煮込むオーブン料理で、家庭ごとの味があるという。アルザスのシンボル、コウノトリが描かれているタイプも多い。
四季折々に愛らしい花が咲き、運河には白鳥が遊ぶ、まるでおとぎの国にタイムスリップしたかのようなコルマールが最も盛り上がるのが、クリスマス4週間前の日曜日から始まる待降節。街の5つの広場では“マルシェ ド ノエル(=クリスマスマーケット)”が催され、ヴォージュ山脈で育ったもみの木や、ハンドメイドのリース、クリスマス菓子のブレデレ(ひと口サイズの焼き菓子)などクリスマスを楽しむさまざまなアイテムを販売するブースが並ぶ。週末になると深夜まで連日大賑わいをみせ、街全体がまるで大きなクリスマスギフトのよう!
2015.12.15(火)
photographs=Taisuke Yoshida
cooperation=FranceAgriMer