春の毘沙門堂

春の毘沙門堂。(撮影:浮羽ひろみ)

 「毘沙門堂の花盛り 四王天の栄華もこれにはいかで勝るべき……」、毘沙門堂は紅葉もさることながら春の桜も古くから有名で、謡曲「西行桜」にも描かれています。「そうだ 京都、いこう」のポスターにもなった幅30メートルに及ぶ枝ぶりのしだれ桜は必見。秋に参拝に来られた人は、落葉したしだれ桜の大きさに驚き、「また春にも来たい!」と決心するのです。

桜まつりで、障壁画の前で龍笛演奏をした時の筆者。

動く襖絵

机の向きが変わって見える逆遠近法。(撮影:毘沙門堂)

 もうひとつ毘沙門堂で有名なのが狩野派の絵師・狩野益信により描かれた116面の障壁画です。

 中でも見る位置によってはあら不思議! 動いたかのように見える絵があります。

 今でいうトリックアート。是非、絵師の遊び心をその目でお確かめいただきたいものです。

 この障壁画のある宸殿は御所から移築されたものだそうです。

2015.10.31(土)
文・撮影=中田文花