ファーストクラスで世界一周だなんて手の届かぬ高嶺の花かと思いきや、実はちょっとの工夫でリーズナブルに実現することができるんです。アマゾン川、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナミブ砂漠、南アフリカ、オーストラリア、香港、インドネシア……。トラベルライターのたかせ藍沙さんが体験したとっておきの旅を、ここに公開!

機体はふわりと宙に浮いた。飛行機と違い、ヘリコプターは垂直に離陸するのだ。オーストラリアのグレートバリアリーフにある、ワン&オンリー・ヘイマンアイランドで、ヘリコプターを使ってハートリーフやホワイトヘブンビーチを見て、ビーチでランチをする「ウィットサンデー・ドリームツアー」に出発したときのこと。ヘリコプターはぐんぐん高度を上げ、リゾートはあっというまに小さくなっていった。(撮影=たかせ藍沙)

スパークリングワインを片手にリゾートへ

シドニーからハミルトン島へは空路2時間30分。ほかに、ケアンズ、ブリスベンなどからもフライトがある。

パラグライダーでチェックインしたリゾートの次は、ラグジュアリークルーザーでチェックインすることに。中東のドバイからオーストラリアのシドニーまで、カンタス航空のファーストクラスで約14時間、そこから国内線フライトで、ハミルトン島までは2時間30分のフライト。ハミルトン島は、ホテル、バンガロー、貸別荘などがあるグレートバリアリーフ最大のリゾート島だ。

ハミルトン島の到着ロビーを出ると、大きく「One&Only」と書かれたカウンターがある。ここで名前を告げるとクルーザーに案内してくれる。
いざ、リゾートまで約1時間のクルージング!

 最後は、ハミルトン島の桟橋からラグジュアリークルーザーで約1時間。海の上で中東からの長旅を癒してくれたのは、冷えたオーストラリア産スパークリングワイン! オーストラリアはワインが美味しいことでも知られる国。さっそくのおもてなしに、気分は一気にリゾートモードとなった。

左:ブルーのソファでくつろぎながら、冷えたオーストラリア産のスパークリングワイン!
右:リゾートに着くと、ロゴ入りのヤシの実ジュース! これも冷えていておいしい!

 そして、今回の世界一周の旅で唯一のアイランドリゾート、ヘイマン島の「ワン&オンリー・ヘイマンアイランド」に到着した。直接客室へ案内されてチェックイン。窓を開けると海が見えた。「あー、南の島に来たー!」と実感する瞬間だ。

段差をつけた低層の客室棟が特徴。どの客室にも日当たりのいいベランダがあり、海を望むことができる。

 実は、シドニーの空港で私のスーツケースがロストラゲージに。ドバイのエミレーツ航空のファーストクラスラウンジを楽しみたくて、長めのトランジット時間をとっていたから心配だった。搭乗前にラウンジのレセプションで確認してもらったところ、コンピューター上は間違いなく積み込まれているとのことだった。ところが、ターンテーブルに最初に出てくるはずのファーストクラスの荷物がいつまで経っても出てこない。調べてもらったらまだドバイにあるとのことだった。

ドバイから1日遅れてロングフライトを飛んできたスーツケースには、「PRIORITY」ではなく、「RUSH」というタグが。急いで届けてくれてありがとう!

 万全ではない到着だったが、そのトラブルに対処してくださるリゾートの皆さんの素晴らしかったこと! 最大の心配は撮影用カメラのバッテリーがもつかどうか。予備の電池は持っていたものの、充電器がスーツケースの中だった。すると、リゾートスタッフ全員に連絡して同じ型の充電器を探してくださったり(結果的には、ホテルスタッフの方が急いで持って来てくださったものの、少し形が違って合わなかったのだけれど)、着替えや日焼け止めを用意してくださったり。「今できる最善のこと」を尽くしてくださる姿勢に、このリゾートでの滞在が楽しくなることを確認したのだった。

2015.09.04(金)
文・撮影=たかせ藍沙