Magnificent View #628
雲崗石窟(中国)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 中国山西省の大同には、南北朝時代の4世紀から5世紀にかけて、北魏の都が置かれていた。街の西にある武周山の裾野には、その頃に作られた石窟寺院が、約1キロにわたって続いている。

 現存する寺院は53窟あり、仏像は5万体以上。仏像のサイズは最大で17メートル、小さいものはわずか数センチと、大きさもさまざまだ。

 石窟寺院は、秦漢時代から続く伝統様式と、北魏王朝を建てた鮮卑族の文化、そしてインドや中央アジアの芸術がミックス。さらに、70年もの歳月をかけて造られているため、早期は雄大、中期は精緻にして華麗、晩期は華奢という、それぞれの時代の特徴が見られる。

 1500年も前に花開いた仏教芸術。文化大革命時も破壊を免れ良好な保存状態を保っていたが、近年は大気汚染が進み、石仏の風化が心配されている。

Column

今日の絶景

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2015.06.20(土)
文=芹澤和美