【ステップ1】まずはご飯を詰めます
【ポイント】
ご飯はいつものように、隅まできっちり、表面がデコボコしないように詰めます。
今回は、ご飯の詰め方が若干変則的になっています。ご飯を詰める前にあらかじめ、何をどれくらいどこに詰めるかを大体決めておくと、ご飯の配置でおかずを詰めるスペースがより有効に確保できます。
要するに今回の場合は、ハンバーグを4個詰めるために手前のスペースをフリーにしておきましたよ、ということです。
【ステップ2】ハンバーグを詰めます
【ポイント】
手前に確保したスペースにハンバーグを詰めます。
この時、直立させるのではなく、少し斜めに倒して詰めます。こうすると、ドカンとした感じは少し和らぎますね。少し斜めに倒して詰めるというのは、弁当詰めのいろんなシーンで使えますので、是非覚えておいてくださいね。
【ステップ3】きのこのレンチンしぐれ蒸しを詰めます
【ポイント】
前回までに“バラバラになりやすいもの”にはアルミカップを使うことを申しましたが、汁けの多いものにもアルミカップを使います。詰める前にキッチンペーパーにしばらく置いて汁けを切った後、アルミカップを使って詰めていきます。
そして、今回は仕切りとして青じそを使いました。私は普段の弁当にもよく青じそを仕切りに使います。形も色も大きさも弁当の仕切りとして適していますので、もしお嫌いでなければ、彩りの寂しい弁当の時などに使ってみてもらいたいもののひとつとしてご提案させていただきました。
【ステップ4】ゆでブロッコリーを詰めます
【ポイント】
ステップ3でお気づきでしょうか、もうほとんど残ったスペースのないことに。
第1回の豚のしょうが焼き弁当もそうでしたね。あの時、私は「スペースはあるものでなく作るもの」と言いました。
そしてさらには「見つけるもの」でもあるのです。
直立させずに斜めに詰めたハンバーグには、それぞれの間に隙間があります。それを利用してブロッコリーを詰めます。
よく、「ブロッコリーは小房に分けて」とありますが、ブロッコリーのひと房が小房の単位だとすると、意外と小さくありません。Kさんもひと房詰めていらっしゃるようですが、他のおかずと比べても決して小さくない。今回、ハンバーグの隙間に詰めたブロッコリーの小房は、ひと房をスペースに合わせて切った、文字通りの“小房”です。
ハンバーグ、きのこと、一面茶色だったおかずゾーンに緑がちりばめられ、俄然イキイキと楽しげな雰囲気になりました。
【ステップ5】卵焼きを詰める
【ポイント】
ステップ3ですでになかったスペースを、ステップ4で見つけてブロッコリーを詰めましたが、卵焼きはどうしましょうか。ここで、Kさんのお悩みに立ち返ってみます。
「お弁当箱の高さが思ったよりも高くて」
そうです。この弁当箱には高さが割とあるのです。卵焼きは、この高さを利用して詰めます。Kさんいわく「かなり切り刻まれて」しまった卵焼きを、ご飯の上にポンポンポンと並べたら、ちょっとかわいくないですか?
【After】ご飯にごま塩をふって完成
【ポイント】
几帳面に詰められたKさんのお弁当には、私自身、とても好感を持ちました。弁当歴が4カ月と短いのにもかかわらず、キレイに並べて詰めるという、簡単に出来そうで実はなかなか難しい基本がちゃんと出来ているのにも驚かされました。
ただ、几帳面に詰め過ぎているがゆえのギッチリした動きのなさを、Kさん自身が「かわいくない」と感じてしまったのかもしれません。これから、弁当作りを続けていくにおいて、今ある基本を大事にしながら、“斜め”“隙間”“高さ”を意識してみてください。
あと、毎回のように言ってますが、ご飯の詰め方は大事です。弁当箱という限られたスペースに、好きなおかずをたくさん詰めたいという今回のような場合は、いつもの“丁寧に”“隅まで”以外に、ご飯の配置も重要なポイントです。
おかずの形、数、量を頭に置いて、ご飯詰めの“先制攻撃”。最初のこの一手が、周りに「かわいい!」と褒められる“勝利弁当”につながるでしょう。
ではまた次回。
【今日のまとめ】
・ご飯を詰める前に全体の配置を思い描く
・スペースはあるものでなく見つけるもの
おかずのレシピは『弁当パフォーマーまさきちの弁当ごよみ十二カ月』に掲載中!
うちの基本のハンバーグ(11ページ)/きのこのレンチンしぐれ蒸し(17ページ)/アスパラ入り卵焼き(37ページ)
『弁当パフォーマーまさきちの弁当ごよみ十二カ月』
大人気ブロガーによる、笑いと涙の“幕の内的”弁当日記&レシピ。バツ2、独身、毒舌の弁当ブロガーまさきちによる季節の弁当。給料日前でも、二日酔いの朝でも無理なく作れるお助けレシピ。
著・よりのまさみ
本体1,200円+税
よりのまさみ
人気弁当ブログ「おひとりさまの食卓」(http://masakichi3.exblog.jp/)の主催者。広島県生まれ、広島の広告代理店勤務を経て、現在、福岡県の地元企業に勤める。バツ2独身ひとり暮らし。二日酔いの日でも、残業続きの日でも、懐の寒いときでも、無理せず作り続けることができる弁当レシピが大人気。著者に『弁当の本』(アールズ出版)、『弁当パフォーマーまさきちの 弁当は人生だ! 毎日作れる楽ウマレシピと手抜きのコツ』(文藝春秋)などがある。
Column
弁当パフォーマーまさきちの「弁当詰め方」道場
人気弁当ブログ「おひとりさまの食卓」を主宰する、まさきちことよりのまさみさんがお弁当の「詰め方」を指南。お弁当の詰め方にこだわるだけで、ふたを開けた時のインパクトが数倍にも。目からウロコの詰め方テクニックが満載です。
2015.04.15(水)
文・撮影=よりのまさみ