ワインとじっくりと向き合ってその奥深き文化を堪能
カウンターの左手の壁の棚にずらりと並べられたグラスは、全部で26種類。飲むワインに対して最適なグラスを選んで出してくれるのですが、使ってみたいグラスがあれば、それをリクエストすることも可能。同じ銘柄のワインも、グラスを変えて味わえば、また味わいが違って感じられるから不思議です。
聞けば、それは気のせいではなく、口の中に入るワインの量や流れ方で味わいの印象が変わるのだそう。そのワインの流れをコントロールするのに重要なのがグラスの形状で、リーデル社は世界中のワイン生産者とともにグラス形状の共同開発を続けているとのこと。実際にどういう風にワインが流れ込むのか、なぜ美味しく感じられるかなど、色々と教えていただけます。ワイン文化、奥深し!
最近はワインが生活に根付いてカジュアルに楽しまれるようになった反面、きちんと「向き合って楽しむ」機会が以前より少なくなってきました。ですが、ワインはそもそも、造り手の思想や哲学が込められた文化的な存在。飲む側も好奇心をもってワインを知り、よりよく味わうように飲めば、もっと豊かな時間が過ごせることでしょう。
そして単なる「呑んべえ」ではなく、「ワインラヴァー」としての立ち居振る舞いが、回を重ねるごとに形状記憶されるはずです。
プロのソムリエが造り手の想いに居ずまいを正してワインを扱う姿は、傍で見ていても美しいもの。ワインと対峙する時間を通じて、そんな美しさや品格が身に付きそうな、知的好奇心が刺激されるラウンジです。
ワインショップ・エノテカ 丸の内店
所在地 東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビル1F
電話番号 03-5208-8371
営業時間 【ワインショップ】
平日11:00~21:00、土日祝11:00~20:00 【丸の内ラウンジ】平日16:00~23:00(L.O.22:00)、土日祝16:00~22:00(L.O.21:00)
URL http://www.enoteca.co.jp/shop/marunouchi
小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。
Column
小松めぐみの“キレイになれる”レストラン
食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。
2015.03.03(火)
文・撮影=小松めぐみ