試飲と謳いつつほぼ飲み放題!?

 ディナータイム少し前に店を開け、ハッピーアワー(食前酒タイム)を設けているレストラン、買い物の合間にお茶ができるバーカウンターを設置しているブティック、店内の一角がバールとして機能している食材屋など、店の在り方が多種多様化している昨今のイタリアだが、最近は酒屋(エノテカ)が主催する試飲会の案内をもらう機会が多くなった。

試飲会とは思えぬスピードで次々とボトルが抜栓されていく。
左:エノテカ29が店を構えるポンテ・ミルヴィオ広場は、ローマで最も旬とされるエリアのひとつ。
右:リーズナブルな価格のものから高級ワインまで。所狭しと店内に並ぶイタリア全土のワイン。
この日の試飲会に出されたモンテ・ロッサ社のフランチャコルタ、"P.R.BRUT"と"COUPÉ"。

 先日、友人から誘われて立ち寄ったのはローマの若者たちに人気のあるエリア、ポンテ・ミルヴィオ広場の一角に店を構えるエノテカ「La Cantina XXIX (ラ・カンティーナ 29)」だ。毎回(通常、毎週金曜の夜)一社をクローズアップした上で、そのつくり手によるワインを2、3種ほどテイスティングさせてくれる試飲会を開催している。試飲と謳いつつもほぼ飲み放題に近いのがイタリアンスタイル。参加者たちの大半はほろ酔い気分で単なる飲み会を楽しんでいるといった感じだ。ちなみに試飲したワインが気に入ればその日に限り割引価格で購入することができる。

文・撮影=村本幸枝