サテーをとことん楽しむ! 
ピーナッツソースとサイドメニューも極めよう

 ここまでは、サテーそのもののご紹介をしてきましたが、実はサテーを楽しむうえでもうひとつ欠かせないアイテムがあるのです。まずは、これなくしてサテーは食べられない、濃厚ピーナッツソースをご紹介。

ピーナッツをすり潰し、タマリンドやニンニク、クミンなどのスパイスを混ぜて炒めて水分を加えたソース。赤い見た目ほど辛さはなく、甘辛い、という表現がぴったり。(写真提供:かおりさん)

 レストランでも屋台でも、サテーを頼んだらピーナッツソースが必ずセットでついてきます。このピーナッツソースをたっぷりとサテーにつけて食べるのが、美味しくサテーを食べるコツ。ピーナッツソースのお椀は、1人にひとつの場合もあれば、なみなみとソースが注がれた大き目のお椀をみんなでシェアすることも。大阪の串揚げのように二度漬けが禁止……かどうかは定かではないのですがサテーはひと串を一気に食べることが多いため、自然と二度漬けはしない食べ方となっているようです。

 もうひとつ欠かせないサイドメニューが、スライスした生のきゅうりや玉ねぎ、そして「クトゥパ」と呼ばれるご飯をギュッと固めたお餅のような食感の付け合わせです。

サテーで有名な町カジャンで出てきた、なみなみと盛られたピーナッツソースと、付け合わせ。右のお皿の白いひと口サイズのものがクトゥパ。

 サテーを数本食べ、箸休めとばかりにきゅうりやクトゥパを、サテーが刺さっていた串にぶすっと刺していただきます。もちろん、ピーナッツソースをたっぷりとつけても美味しいです! お餅のような食感のクトゥパとピーナッツソースの相性はとてもよく、私は実はこれが結構楽しみでいくつも食べてしまい、すぐにお腹が膨れてしまいます……。

 またレストランなどでは食べきれなかったサテーは、持ち帰りができます。漬けきれなかったソースをサテーとともにテイクアウトし、お家で待っている家族と一緒に、またホテルの部屋で友人とサテーを食べる「サテーパーティー」、略して「サテパ」! なんていかがでしょう。

お持ち帰り文化が盛んなマレーシア。余ったピーナッツソースはビニール袋に入れて包んでくれる。スタッフに頼めば快く応じてくれるので、ぜひトライしてみよう。

 いかがでしたか。「サテーって、要は焼き鳥でしょ?」 そんなふうに思っていた貴方、マレーシアごはんを語るうえで、サテーがいかに食卓の中心に鎮座しているか、ということが分かっていただけたでしょうか。マレーシア人がみんな大好きなサテー。家族や友人と今日あったことを話したり、久しぶりに会った懐かしい人達とごはんを食べる時、マレーシアの夜ごはんの風景にはいつも、笑顔でサテーの串を片手におしゃべりに興じるマレーシア人の姿があるのです。

 文中で紹介したサテー屋台の様子です。この動画を見たら、きっと今すぐサテーが食べたくなる!

日本でもサテーは食べられます。日本で「サテー」を食べるならココ。

ちりばり(東京都品川区西五反田)
URL https://www.facebook.com/chicken.chilibali

ペナンレストラン(東京都港区芝)
URL https://www.facebook.com/PenangRestaurant

マレーアジアンクイジーン(東京都渋谷区渋谷)
URL http://www.malayasiancuisine.com/

マレーカンポン(東京都中央区八丁堀)
URL http://www.malaykampung.com/

マレーチャン サトゥ(東京都豊島区西池袋)
URL http://www.malaychan-satu.jp/

マレーチャン ドゥア(東京都豊島区東池袋)
URL http://www.malaychan-dua.jp/

ラサマレーシア(東京都中央区銀座)
URL http://r.gnavi.co.jp/g275501/


マレーシアごはんの会 三浦 菜穂子(みうら なおこ)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベントを企画・開催、マレーシア料理店のサポートを行う。バックパッカーとして1998年にマレーシアを訪れて以来、マレーシア全州を周り、訪馬回数は30回以上にのぼる。ガイドブックには載っていない小さな田舎町を訪れ、のどかなマレーシアの人、ごはん、風景を、写真や体験談を通して広めている。
ブログ http://blog.goo.ne.jp/cintamalaysia

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2015.03.05(木)
文=三浦菜穂子
写真=三浦菜穂子、古川 音