今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

小麦ふすま

 小麦の製粉工程で取り除かれる「小麦の皮」の部分で「ブラン」とも呼ばれます。

 お米でいうところの「米ぬか」にあたり、食物繊維や鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの栄養素が豊富に含まれています。なかでも注目したいのは食物繊維の働きで、これは炭水化物などの糖の吸収を緩やかにしてくれるため、血糖値を急激に上げることを防いでくれます。またふすまの食物繊維は不水溶性のため、便のカサを増やし便秘を改善する効果があり、便秘で悩む方は小麦粉を使った料理や菓子作りの際にふすまを1、2割加えると良いでしょう。

 マクロビ的には、食材を丸ごと頂く「一物全体」の考えから、製粉時に除かれるふすまはぜひ食べて頂きたいもの。スーパーでは手に入りにくい食材ですが、ネットの健康食品を扱うサイトで購入できます。

アーモンドパウダー

マクロビオテック食材「アーモンドパウダー」の写真

 オールベジのお料理では粉チーズの代わりにアーモンドパウダーの他、クルミやカシューナッツ、松の実などを煎ってパウダーにしたものを使い、コクを出します。ただしナッツは高カロリーの油脂分! 美味しいのですが食べすぎには注意です。

 粉チーズの代用の他、クッキーやケーキの生地に入れることで軽い食感の仕上がりと豊かな風味が楽しめます。粉製品全般に言えることですが、特に油脂分の多いナッツ類は酸化しやすいので、開封後すぐに使いきれない場合は冷凍保存がお勧めです。

ベーキングパウダー

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 アルミニウムフリーのものを選びましょう。重金属は神経系に影響が出る可能性が疑われています。食材に加えて使う添加物は危険性が疑われるものはできるだけ避けたいものです。私が愛用しているものはラムフォード社のもの。苦味などが出にくくふんわりと仕上がります。ベーキングパウダーは湿度に弱いので、長期保存の際は冷凍庫での保管がお勧めです。

メープルシロップ

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 砂糖楓の樹液からとれる甘味で、カナダ産のものが多く流通しています。マクロビ的には寒冷地で採取される甘味料であることから、南国産のサトウキビ由来の甘味料(白砂糖ほか、黒砂糖やキビ砂糖も含む)よりも体を冷やしにくいと考えられています。オーガニックのものがお勧めですが、手に入らない場合はせめて本物のメープルシロップを選ぶようにしましょう。安価なものはメープル風味のシロップとして売られており、白砂糖や人工甘味料、保存料などがはいっています。

豆乳

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 豊富に含まれる大豆イソフラボンの効果で女性ホルモンの働きを助けてくれる豆乳は、主に乳製品の代わりとして使います。甘味や添加物の入っていない無調製豆乳を選びましょう。遺伝子組み換え製品ではない、有機栽培の国産大豆を使用したものが望ましいですが、あまりこだわらずに気軽に使ってみましょう。私が愛用しているのは大豆固形成分8%程度のもの。それ以上のものだと大豆の味が強く出てしまい、お料理によっては不向きの場合もあります。コーヒーや紅茶にもミルクの代わりに使えます。

太白ごま油

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 ごま油の香りと色は、ごまを煎ることによって生まれてきますが、太白ごま油はごまを煎らずに生のまま搾っているごま油です。そのため、香りや色に癖はなく、色々な用途で使用できます。同じく使いやすいサラダオイルは、トランス脂肪酸含有のものが多いので気を付けたいものです。多少値段は張っても油は良質のものを選びましょう。また保存場所にも気を付けます。光や酸素で酸化が進むので、開封前も冷暗所で保管し、開封後は早めに使い切りましょう。

リンゴジュース

 甘味を補う時に使う食材の一つです。輸入物の濃縮還元ではなく国産のストレート果汁100%のものを選びましょう。風邪で食欲がなく熱がある時にはリンゴジュースを葛粉と合わせて温めたものをいただくと、消化に負担がかからず優しく熱を取ってくれます。

 マクロビ的にみると、リンゴは丸い形と堅い身、そして寒い地方で取れる果実ということから中庸(ちゅうよう/陰と陽の中間)のエネルギーを持つ果物と考えます。ただし、果物は全般に陰性のエネルギーの食材なので体を冷やす傾向にあるものです。摂り過ぎには注意が必要です。冷え性の方は自然塩少々を加えていただくようにすると良いでしょう。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

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「週1回ベジ食」のすすめ

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2014.12.12(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平