アジア最大級の規模を誇る旗艦店、サムソナイト・ブラックレーベル 銀座店のオープン1周年を記念し、 CREA WEBでは読者の皆さまに旅の記憶を共有していただく 「フォトコンテスト」を開催しました。
約1か月弱の応募期間にも拘わらず、とびきりの「旅写真」が多数集結。『心動かした旅の「景色」部門』、『もう一度食べたい、旅の「味」部門』、『忘れられない旅の「ハプニング」部門』の中から最優秀賞(全部門で1点)・優秀賞(各部門1点)・入賞(各部門3点)を選ぶべく、カメラマンの赤尾昌則さん、サムソナイト・ブラックレーベル 銀座店 店長の長塚由美さん 、CREA WEB 編集長の倉林里実が集結。
旅好き審査員3名による、白熱の選考会が実施されました。
ストーリーを感じる旅の写真が集結
――1か月弱の応募期間にも拘わらず、多くの旅好きの方々から写真が集まりました。選考会をしてみていかがでしたか?
赤尾 特に景色部門に当てはまることですが、皆さん“よく写真を見ているな”と思いました。写真が好きで、日ごろからしっかり写真を見ていて、「こういう感じに撮りたい」というイメージを持っておられる。
倉林 本当にお上手でしたよね。そして、旅の写真は共感性が高いなと改めて感じます。皆さんの写真を見て、3人で「私もこの国に行ったときに…」と盛り上がったり。
長塚 皆さんいろんな国に行かれているので、その土地で感じたことや突然起きた出来事など、背景にあるストーリーが伝わってくる写真が多かったのも印象的です。
――素敵な写真をたくさん応募いただいたので、選考が難しそうですが…まずは景色部門から選んでいきます。ちなみに、皆さんが目にした忘れられない景色はありますか?
長塚 ありすぎて1つに決められないですが…(笑)、大学生のころに見たアンコールワットの朝焼けは今でも忘れられません。約20年前に行ったので、スマートフォンもなく普通のフィルムカメラで撮影したんですが、写真を現像してまた手元に戻ってきたときに、「あ、こんなきれいだったんだ」と改めて感じさせてくれる景色でした。
赤尾 僕はグランドキャニオンに旅行に行ったときに、凄すぎて逆に写真が撮れなかったんですよね。今までに見たことのない規模感じゃないですか。それを、ファインダーを通すと、急にキュッてなっちゃう気がして。
倉林 赤尾さんが撮れなかった景色があるなんて…! 私、2年前にエジプトに行ったんですが、ギザの三大ピラミッドやスフィンクスはやはり圧巻でした。プライベートで行ったんですが、なんで「CREA Traveller」でエジプト特集をやらなかったんだろうと後悔したぐらい(笑)。
長塚 エジプト、良いですね。どのぐらいの時間帯の景色でしたか?
倉林 もう、24時間絶えず凄かったです。約4500年前の紀元前の人々があれを造ったなんて、とてもじゃないけど敵わないと思いました。
「景色」部門に選ばれた4枚がこちら!
【1】心動かした旅の「景色」部門
◆優秀賞
心動かした旅の「景色」部門、最も票を集めた優秀賞には、CKさんの台湾・嘉義(かぎ)で撮影された写真が選ばれました。地元のお客さんで賑わう豆花のお店で、肩を寄せ合って勉強する二人の学生を捉えた一枚です。
阿里山林業鉄道の始発駅「嘉義」に滞在しました。名物の鶏肉飯(ジーローハン)を食べたあと、デザートが食べたくて立ち寄ったのは、個人病院の古い建物をリノベーションした「桃城豆花」。飾られた書や片隅のバイクも内装に溶け込み、懐かしさとモダンが心地よく共存する空間でした。
こんなにおしゃれなお店なのに、豆花は350円ほどとリーズナブル。地元のお客さんも多く、学生さんが肩を寄せ合って勉強していました。
もし、私がここに住んでいたら毎日通うなぁ。
※応募コメントより一部抜粋。
●代表選評コメント
単純に、写真として好きな一枚です。絵はがき的な美しい風景写真よりも、人がちゃんとそこにいて、さらに飾っていないシーンを捉えているところにも惹かれました。写っている二人の学生の雰囲気はもちろん、撮ってる人の温かな目線も感じられる一枚だと思います。(赤尾)
◆入賞①
心動かした旅の「景色」部門。1つ目の入賞は、mopiさんのフィレンツェの石畳に反射したジョットの鐘楼を撮影した写真が選ばれました。
「メッシとロナウド、生で見たくね?」高校サッカー部の同期3人、酒の勢いで決まった卒業旅行。バイト代を貯めて買った念願の一眼レフを手に、いざスペインとイタリアへ!
旅の中盤、フィレンツェの朝。はしゃぎ疲れた身体に濃いエスプレッソを流し込み、石畳を歩き出すと足元の水たまりに目を奪われた。前日の雨が残した小さなキャンバスに、白大理石の「ジョットの鐘楼」が美しく逆さに反射していたのだ。
疲れも吹き飛び、無我夢中でしゃがみ込んでファインダーを覗き込む。水鏡に浮かぶ荘厳な建築美を見つめていると、フィレンツェの深い歴史と自分がすっと溶け合った気がして、静かで熱い感動に包まれた。
※応募コメントより一部抜粋。
●代表選評コメント
この写真は、エピソードも含めてとても好きですね。男性三人で行って、一生懸命お金を貯めて買ったカメラで撮った一枚。だからちょっとプロっぽい感じにしたのかなと。私が好きな景色として挙げたアンコールワットにも湖があり、そこに逆さのアンコールワットが写るんですよね。その美しさが分かるからこそ、この写真の“思わず撮った”感動もすごくよく伝わってきました。(長塚)
◆入賞②
2つ目の入賞作品は、エメラルドグリーンが目を引くドイツのアイブゼー湖を捉えたゆんゆんさんの写真です。ドイツの最高峰・ツークシュピッツェ山の山頂の寒さで風邪をひいてしまった従兄弟も、ホッと癒された絶景を捉えています。
家族抜きで海外に行くのは初めてで、苦手な英語での注文や街の人との挨拶など、たくさんのことに挑戦する旅でした。
ドイツ最高峰ツークシュピッツェの山頂は想像を超える厳しい冷気で、一緒に登った従兄弟が風邪をひいてしまい、心配と疲労で心細くなっていました。
そんな中、麓に降りて目の前に現れたアイブセー湖の澄んだエメラルドグリーン。言葉を失うほどの美しさに従兄弟が少し微笑んだ姿を見て、本当に救われました。張り詰めていた気持ちがスーッと溶け、5人で静かに癒された思い出の景色です。
※応募コメントより一部抜粋。
●代表選評コメント
カヌーを漕いでる人や手前で泳いでいる人たちから、ゆんゆんさんたちが癒やされたゆっくりとした時間が伝わってきます。タイパ・コスパの時代ですが、ゆったりとした時間が、こうした雄大な自然を生み出しているのだなと。そんな“時間”が分かる写真である点を評価しました。(倉林)
◆入賞③
心動かした旅の「景色」部門。3つ目の入賞は、リトアニアのカフェの店前を撮影したdeconofuさんの一枚です。店の色と調和するような花が飾られた、リトアニアの生活に花が根付いてることを感じさせる写真です。
予備知識なく冬に訪れた、極寒のバルト三国。日本人どころかアジア人の姿すらない完全な非日常の中で、色濃く印象に残ったのがリトアニアでした。
道端ではごく自然に生花が売られ、行き交う地元の人々も手に花束を抱えています。様々なお店のディスプレイもお花や植物で素敵にデコレーションされ、中でも一際目を引いたのがこのカフェでした。
厳寒の地でありながら、人々の暮らしや街のあちこちに豊かな生花が当たり前のように根付いていることに、素敵な国だなと感銘を受けました。
※応募コメントより一部抜粋。
●代表選評コメント
「街を歩いてて、ぱっと見かけて撮影した」感がすごく好きだなと思いました。構図を意識したり、狙ったりもしていない。「お花が素敵だな」と思った撮影者の気持ちがそのまま表れている。そんな純粋な写真だなと思います。こうした“意識していない”写真こそ、まさに「旅の写真」らしいですよね。(赤尾)
