エネルギーに満ちたストリートの活気のなかに、静かなロマンを秘める国・ベトナム。ハノイやホーチミン、ダナンなどは、日本からアクセスしやすく、長期休暇の旅先として根強い人気を誇る。

 そんな中、近年新たな観光地として名前があがるようになったのが、サパだ。

 サパは、ハノイ・ノイバイ国際空港から車やバスで約5~6時間、列車で約8時間と車で1時間行った走った先にある、山岳地帯に広がるリゾート地。ザオ族やモン族など、少数民族の文化が残っていることやアクセスのハードルの高さゆえに、“秘境”のようにも語られる。

 このたびベトナム航空のサポートにより、サパを訪問した。ヴェールに包まれた、サパにはいったい何があるのか? 


秘境の山岳地サパで出合ったものとは?

 ベトナムは、ここ数十年で急速な経済発展を見せた国だ。首都・ハノイには、東アジアや西洋のトレンドに呼応する、モダンなホテルやレストラン、ショップがあり、かつての東南アジアのイメージだけでは捉えきれない、現代的な都市の表情が広がっている。

 それでも、一本裏の道に入ると昔ながらの商いの風景に出くわす。食品から日用品まで、さまざまな品物が並ぶ市場や個人商店。店番の人が座る横を、二人乗りのバイクや車が次々と通り過ぎ、その脇を大きな犬が悠然と歩いていく。この土地で営まれてきた日常だ。

 サパは、ベトナム北西部の中国との国境に近いラオカイ省に位置する、標高約1600mの山岳地帯だ。インドシナ半島最高峰として知られるファンシーパン山がそびえ、渓谷には流線型の棚田が広がる。山々が霧に包まれると、景色は一転して幻想的な表情を見せる。

 この地域には、モン族やザオ族をはじめとする少数民族が暮らし、独自の文化や伝統を受け継いできた。山間部では棚田での稲作など、土地の自然と結びついた暮らしが営まれている。

 一方、2014年にハノイからラオカイ高速道路が開通し、16年にはファンシーパンの山頂までを結ぶロープウェーが開業。ベトナム大手企業による観光開発も進み都市開発を進めたことで、山岳観光の拠点として発展してきた。

 中心街にはレストランや雑貨店が並び、ナイトカルチャーも盛ん。夜はネオンライトがきらめく街に、人々の笑い声がひびく。秘境と言われる山村の暮らしと、東南アジアらしい繁華街が融合する。

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