学校ではずっと田舎者キャラでした

──著書『女の子未満』で、ご自身のことを繰り返し「田舎の女子高生」と称されています。鈴木さんには都会のイメージがあるので意外でした。

 中学は鎌倉の学校に通っていて、高校で港区の学校へ進学したんです。鎌倉から通っているなんて、学校でほとんど一番田舎者なんですよ。そのまま鎌倉の学校に通っていれば、田舎者であるなんて自意識は育たなかったと思うんですが、なにせローファーに土が付いているのが私だけだったので(笑)。

 自宅から最寄りのバス停まで行こうとすると砂埃とか土がめっちゃ付くんですよ。でも周りは都心のマンション暮らしが圧倒的に多いのでそんなもの付いてない。だから「今日も靴に土付いてるよ」とか言われて、田舎者キャラでした。家で撮った写真を見せたら、「え? 後ろに木がすごい生えてんだけど! 山に住んでる?」とか言われてました。当時は渋谷全盛期だったので、いかに渋谷から近いかが重要だったんです。だから同じ「カマ」でも、蒲田在住の子のほうがずっといばってました(笑)。

 今、高校の同級生の何人かがコロナ禍以降の流行に乗って鎌倉にプチ移住していて結構連絡をくれますが、「あんたたち、めちゃくちゃ田舎扱いしてきたじゃないか」、と思うとちょっと可笑しいですね。これもまた、高校生とアラフォー世代の価値観や生活の変化です。

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鈴木涼美(すずき・すずみ)

小説家。1983年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒。東京大学大学院修士課程修了。小説第1作『ギフテッド』が 第167回芥川賞、第2作『グレイスレス』が第168回芥川賞候補。他の著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜 のオネエサンの愛と幸福論』『「AV女優」の社会学 増補新版』『トラディション』『ノー・アニマルズ』 『典雅な調べに色は娘』などがある。

『女の子未満』

2026年6月25日
定価 1980円(税込)
講談社
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