「CREA」2026年冬号「贈りものバイブル」特集に、舞台『シッダールタ』で共演中の草彅剛 さんと杉野遥亮さんが登場。実は「贈りもの」好きでもあるというお二方に、お互いへのギフトを選んでいただきました。 

 CREA WEBでは、そのコンテンツの一部を大公開します!


「僕、自分の気に入ったものはすぐ人にあげたくなるんです」(草彅剛さん)

 現在、舞台『シッダールタ』で共演中の草彅剛さんと杉野遥亮さん。シッダールタが旅をしながらさまざまな経験を経て、真理に至るまでの物語で、草彅さんは主人公のシッダールタを演じている。稽古が始まる直前、杉野さんから草彅さんにプレゼントが届いた。

――杉野さんは、「舞台中の癒しにしてもらえたら」という思いから、贈りものにパロサントとホワイトセージを選ばれたそうです。

草彅 すごくいい香り、最高ですね! これは燃やして香りを楽しむのですか? 杉野くん、さすがおしゃれなものを知ってるなあ。

――どちらの香りがお好みですか?

草彅 どちらも同じくらい好きです。(思い切り香りを吸い込みながら)まるで森にいるみたいで、すごくリラックスします。瞑想できそう。『シッダールタ』の世界観につながりますね。これを家で焚きながらセリフを覚えたい!

――杉野さんとは約3年前のドラマ『罠の戦争』で共演され、その時にはりんごや落花生をプレゼントされたそうですね。

草彅 僕、自分の気に入ったものを人にすぐあげちゃう癖があるんです(笑)。杉野くんが「生の落花生を食べたことない」と言うので、「おいしいから食べてみてよ」と贈りました。収穫時期のものは新鮮で味が全然違うんです。

――人に贈りものをする際、相手に気に入ってもらえるか、負担にならないかなど悩んでしまう人も多いと思うのですが……。

草彅 みんな考えすぎだと思います(笑)。もし、(贈りものが)相手に合わなかったとしてもそれはそれで構わないんです。僕は昔、(香取)慎吾ちゃんにバイクに乗るようなブーツをあげたら、「あれは一番いらなかった」といまだに言われます(笑)。でも、それがまた笑い話になるじゃないですか。相手を知るきっかけになるし、気に入ったにしろ気に入らなかったにしろ、そこから会話が生まれます。そこが贈りもののいいところだと僕は思います。

――では、プレゼントされるのはいかがですか? もし、自分の趣味ではないものをいただいたら?

草彅 僕は何でも嬉しいです! みんな気を遣って、特に服や古着はなかなか贈ってくれないんですよ。でも、自分では絶対買わないようなTシャツも、いただいたら嬉しいから大切にとっておきます。僕にこれを選んでくれた、というのがまず嬉しいし、贈りものって、贈る相手のことを考える時間がいいなと思うんですよね。

――今回、杉野さんへのプレゼントは何を選ばれましたか?

草彅 黒豆にしました。黒豆の煮汁は喉にいいんです。舞台は喉を使いますから、ステージに立つ時は必ず用意します。舞台俳優っぽい贈りものでいいでしょ?(笑)

――素敵です。杉野さんとは待望の舞台共演だそうですね。

草彅 そうなんです。ドラマ『罠の戦争』で共演させていただいた時、終盤に彼と対峙するシーンがあって、役を通して杉野くん自身のピュアな心に触れたような気がして、グッときたんです。それによって僕の役も深みを持たせることができた。すごく嬉しかったので、「今度、舞台とか一緒にできたらいいね」と話していたんです。

――撮影当時、杉野さんに健康面のアドバイスをされたそうですね。

草彅 「お芝居のことを考えすぎて、夜眠れない」というようなことを彼が言っていて。僕も若い頃そんな時期があったので、気持ちはよくわかりました。だから「とにかく湯船に浸かって、体を温めたら?」と伝えたんです。そしたら後日「昨日は眠れました!」と報告してくれて、嬉しかったです。

――杉野さんは、今作が2本目の舞台なのだそうです。

草彅 何本もやっていても毎回悩みますし、昨日できたことが今日できるとは限らない。不安の中にいるのはみんな一緒だと思います。でも、僕の方が少しだけ長く(仕事を)やってきたから、もし何か手助けできることがあれば何でも言ってほしいです。役って、縁あって神様が与えてくれたようなものだから、杉野くんはそのままの杉野くんでいいし、僕もたぶん僕でいい。かけがえのない数カ月間、舞台という旅を一緒にできて最高です!

 誌面には、杉野遥亮さんが草彅さんへの思いを語るインタビューも。続きは「CREA」2026年冬号でお読みいただけます。

草彅さんから杉野さんへ

◆黒豆の煮物

古くから「声の薬」と呼ばれてきた黒豆をふっくらと煮た、舞台人のお守りフード。「コンサートの時にごはんを作ってくれる“お母さん”にお願いして、舞台の時は黒豆の煮物を作ってもらうんです」と草彅さん。公演後に煮汁を飲んで、喉を潤すのがルーティン。


杉野さんから草彅さんへ

◆パロサントとホワイトセージ

稽古を前に、草彅さんへ癒しと浄化にちなんだアイテムをセレクト。

CASICA
https://casica.tokyo/collections/all

草彅剛(くさなぎ・つよし)さん
俳優、歌手、タレント

1974年7月9日、埼玉県出身。91年、CDデビュー。近年の出演作に映画『碁盤斬り』、『ミッドナイトスワン』、舞台『家族のはなし PART1 2021』、『シラの恋文』など。
嬉しかった贈りもの:自分では買わないようなTシャツをもらえると嬉しい。

杉野遥亮(すぎの・ようすけ)さん
俳優

1995年9月18日、千葉県生まれ。2017年、映画『キセキ-あの日のソビトー』で俳優デビュー。主な出演作に、大河ドラマ『どうする家康』、『罠の戦争』、映画『東京リベンジャーズ』など。
嬉しかった贈りもの:もらうよりあげる派。

舞台『シッダールタ』

ひとりの男(草彅剛)が、世界の混沌の中で自身を見失い佇んでいる。友人のデーミアン(鈴木仁)は行動を促すが、彼は歩き出す道を見出せない。同僚のエヴァ(瀧内公美)の支えを受けながら思索の森に足を踏み入れ、やがて彼はシッダールタとなる。古代インドに生まれたシッダールタ(草彅剛)は、最高位のバラモン階級の子として生きている。その生活に疑問を抱き、より深い叡智を求めて、家を飛び出す。シッダールタについてきたのは、彼に魅了されている青年ゴーヴィンダ(杉野遥亮)ただひとりだった。しかしシッダールタは、修行の意味に疑問を抱き、修行の道を突き進むゴーヴィンダとも袂を分かち、俗世に下野する。やがてシッダールタは、美貌と知性と教養で確固たる地位を築いた高級娼婦・カマラー(瀧内公美)と出会い、性愛による快楽を体験する。さらには商売で富を得ることで、所有欲を満たす経験を覚えるが、それでも本質が満たされることはなく苦悩する。やがて彼は川で渡し守のヴァズデーヴァ(ノゾエ征爾)と出会い、彼の世界観に導かれていく。川の流れの中、シッダールタは別れたカマラー、自らの息子(中沢元紀)、かつて袂を分かったゴーヴィンダらと再会を果たし、自らにさらに深く問いかける。出会いと別れを繰り返し、この世界に絶望し、人生に迷っていたシッダールタが、悟りの境地にたどり着いた時に見えた景色とは―。その音とは―。

【東京公演】2025年11月15日(土)~12月27日(土) @世田谷パブリックシアター
【兵庫公演】2026年1月10日(土)~1月18日(日) @兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

衣装クレジット

草彅さん:サファリジャケット、シャツ、パンツ、ネクタイ、シューズ、ベルト/ポール・スチュアート(ポール・スチュアート青山本店 電話番号 03-6384-5763)
杉野さん:ニット 320,100円、パンツ 225,500円、シューズ 181,500円/ボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン フリーダイヤル 0120-60-1966


 続きは「CREA」2026年冬号でお読みいただけます。

CREA 2026年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

贈りものバイブル

CREA 2026年冬号

贈りものバイブル

定価980円