主演3人の仲の良さが出た『ふれる。』アフレコ収録

――幼馴染3人のキャラクターの絶妙な距離感は、どのように出たのでしょうか?

 正直に言えば、アフレコは3人それぞれ別で録ることもできたんです。でも、長井龍雪監督の強いこだわりもあって、3人のスケジュールをなんとか合わせ、全員そろって収録することになりました。僕自身も地方ロケが続いていましたが、頑張って東京に戻って参加しました。

 本番以外の時間も、3人でずっとブースの中で雑談していて、その空気感みたいなものが、完成した作品にも自然とにじみ出ていると思います。僕たちは本職の声優さんではないので、対面でお芝居しながら収録するという、“俳優らしいアプローチ”になりましたが、それがまたとても有難い経験でした。

――最新出演映画となる『栄光のバックホーム』では、元阪神タイガースの横田慎太郎さんのチームメイト・北條史也さんを演じられましたが、役作りについては?

 まず取り組んだのは、体づくりでした。実は『君とゆきて咲く』の現場が終わってすぐに『栄光のバックホーム』が始まったので、京都にいる間から継続して筋トレをしていたんです。

 野球の練習は、主演の松谷鷹也さんをはじめ、野球経験者のキャストの方々に協力してもらいながら、手の皮がボロボロになるまで必死にやりました。さらに、野球をしている友人にも連絡を取り、夜に一緒にキャッチボールをしたり、自分のバッティングやピッチングの動画を送って改善点を教えてもらったりと、できることは全部やりました。

――実際、北條さんにお会いして、お話しを聞くことはありましたか?

 北條さんご本人にはお会いしていません。作品に入る前にお会いしてしまうと、どうしても意識してしまって、ご本人のマネをしたり、無意識に寄せてしまう気がしたので、結果的には会わずに役作りを進めて正解だったと思います。

 北條さんの動画や試合も、観すぎない程度に確認しました。それよりも、“北條史也”という役を通して、この映画が持つ大切なテーマをしっかり伝えることのほうが重要だと感じていました。

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