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 チョン・ジヒョンとカン・ドンウォン。2000年代初めに映画『猟奇的な彼女』や、『オオカミの誘惑』で人気となって以来、韓国の国民的スターであり続ける二人が、ドラマ「北極星」(ディズニープラスのスターで独占配信中)でついに初共演を果たした。

 全9話からなるこのドラマは、暗殺された夫に代わり大統領候補となるムンジュ(ジヒョン)と、彼女のボディガードとして雇われた脱北者サンホ(ドンウォン)の許されぬ愛を描く、壮大なスペクタクル・ロマンスだ。大規模なキック・オフ・イベントが行われたソウルで、二人がCREA WEB独占インタビューに応じてくれた。幾つになっても国民の弟と呼びたい(実際、姉がいる末っ子!)ドンウォンと、姉御肌のジヒョンは相性が抜群で、取材中も笑顔が絶えなかった。


40代になってようやく初共演した感想は?

――カン・ドンウォンさんが、21年ぶりのドラマ出演として、メロドラマやアクションの要素がある『北極星』を選んだのはどうしてでしょうか?

カン・ドンウォン いろいろ理由はありますが、やはり何よりチョン・ジヒョンさんと共演したい、というのが一番大きな理由だったんです。チョン・ジヒョンさんと僕がもっと年を重ねる前に共演しておきたい(笑)、って思ったんですね。

 『北極星』にはメロドラマの要素だけではなく、アクションやさまざまなジャンルがミックスされていて、そういう作品を久々にやりたかったと言うのももちろんありますが。

――若い頃から20年以上、ずっとスターであり続けた同い年のチョン・ジヒョンさんとカン・ドンウォンさんの二人が、40代になってようやく初共演してみて、実際どのようなお気持ちでしょうか?

チョン・ジヒョン 私は以前からカン・ドンウォンさんのファンだったんです。だから今回の共演は、すごく楽しみにしていました。人間的にも、またルックスもそうですが、ドンウォンさんは何一つとして非の打ちどころがない方なんですよ。

 そして今回、共演してみて、さらにドンウォンさんのファンになってしまいました。もちろん、もし若い頃に共演できていたなら、それはそれでもっと良かったかもしれないですが。ただ若い時の感性の良さもありますが、大人になった今だから出来るものもありますので、今回共演することが出来たことは、やはりより一層、良かったんじゃないかなと思っています。年齢を重ねたからこそ、感情をより自由に表現できるようになったというか、余裕も生まれたと思いますし、本当に演技の幅が広がったような気がするんですね。私は今回、ドンウォンさんと共演できたことに、心から満足しています。

カン・ドンウォン 僕も同じ気持ちです。チョン・ジヒョンさんのお話と重なる部分もあるんですが、もし若い頃に共演できていたとしたら、確かに若い頃ならではの良さがあったかもしれない。でも40代で初めて共演してみて、20代、30代では決して感じることができないような感情もあるはずなので、それが表現できた。もちろん、もっと前に共演して、今度再び共演したということなら、それはそれで良かったかもしれないし。つまりはどのパターンであっても、それぞれメリットとデメリットがあるんじゃないかなと思うんですね。

 チョン・ジヒョンさんと僕は、これまで個人的には全然知り合いではなかったんですけれども、本作をきっかけに知り合って、彼女の長所を実感したんです。きっと共演者の皆さんはご存じだとは思うんですけれども、チョン・ジヒョンさんと撮影を一緒にしてみて、僕が驚いたのが、とても洞察力に優れた方だということなんですよ。よく周りを見ている。すごく素敵な、かっこいい方だなと思いました。そして常に現場で楽しく仕事をされる方で、とっても面白い人なんですね。今回僕は、彼女の魅力にどっぷりはまりました。本当に素敵な人なんですよ。

2025.09.23(火)
文=石津文子