いよいよ、花火大会へ

 それでは実際の花火大会に出かけて、撮影のコツを掴んでいきましょう。

カメラEOS Kiss X7、レンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM、撮影モード バルブ撮影 Tv(シャッター速度) 2.2 F11

 これは、失敗例です。花火がカメラのファインダーに納まりきれませんでした。しかし、最初からうまく撮影できることは、なかなかありません。何度も工夫をして経験を積むことが必要です。

 このような失敗を避けるためには、一度花火が打ち上がったのを、ファインダー内で確認してから撮影してみましょう。それでも花火の大きさが違うと画面内には入り切らないこともあります。

 シャッターを開く時間が長いと、連発で打ち上がる花火では真っ白な写真ができあがります。リモートスイッチを操作するタイミングも大切です。花火大会は長いので、落ち着いて挑戦してください。

カメラEOS Kiss X7、レンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM、撮影モード バルブ撮影 Tv(シャッター速度) 4.2 F11

 失敗しないために、今度はより広角側にして余裕をもって撮影しました。

カメラ EOS Kiss X7、レンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM、撮影モード バルブ撮影 Tv(シャッター速度) 5 F11

 次はレンズの方向を変えて水中花火を撮影してみました。水中花火は、水の中で開く花火で、この日は風もなく綺麗に湖面に映りました。広角レンズを使って絵になりそうな良い位置で撮影しましょう。

 なお、スターマイン等の連発で打ち上がる花火を撮影するためには、F値をF16に設定するとよいでしょう。花火はそれぞれ明るさが異なるので、あくまで「めやす」と考えてください。

撮影地 岩手県西和賀町 錦秋湖川尻地区湖畔
撮影日 2014年5月24日(土)
「第34回 錦秋湖 湖水まつり」

泉谷玄作(いずみや げんさく)
写真家。1959年 秋田県に生まれる。花火の撮影をライフワークとする。現代美術作家、蔡國強(Cai Guo-Qiang)氏の依頼で、2002年MoMA(ニューヨーク近代美術館)主催の「動く虹」の花火や、2003年ニューヨークセントラルパーク150周年記念の「空の光輪」の花火などを撮影。著書に、『心の惑星-光の国の物語』(クレオ)、『日本列島 四季の花火百華』(日本カメラ社)、『静岡県ふくろい遠州の花火』、(日本カメラ社)、『花火の図鑑』(ポプラ社)、『花火の大図鑑』日本煙火協会/監修 (PHP研究所)、『日本の花火はなぜ世界一なのか?』(講談社+α新書)など、花火に関するもの多数。日本写真家協会会員。

2014.07.02(水)