当時のゲスト気分で、名建築に宿泊する

 建築当初から賓客が多く訪れたウォーターハウス記念館は、ゲストルームが設けられていました。現在は2階の3室が寝室として使用でき、計7台のベッドがあるので、グループ旅行や3世代家族旅行にもおすすめです。

 ベッドスローには滋賀・近江の麻を使用し、カラフルで爽やかな印象。この部屋はかつてスリーピングポーチとして使用されていました。太陽の日差しが心地よく、昼間からうとうととお昼寝してしまいそう。

 各部屋をつなぐように談話室があります。それぞれの部屋からここに集まりゆったりと椅子に腰かけて、旅の話に花を咲かせる時間を過ごしましょう。

 バスルームと洗面所は建物にふさわしく、清潔感と高貴さが漂う雰囲気でリフォームされています。

 館内を思う存分じっくりと細部まで眺められるのも一棟貸しならでは。あちらこちらの部屋を歩いて調度品や家具などを眺めてみましょう。ヴォーリズが好んで使ったと言われるドロップのような透明なドアノブや、当時から残るオルガン、住む人を思う動線など「ヴォーリズ建築らしさ」を堪能する至極の時間。ガイドさんのツアーをお願いして館内を案内してもらうのもいいでしょう。

2025.06.24(火)
文・写真=神谷加奈子