この記事の連載

個性的なうつわに盛るといつものラーメンが見違える!

◆高台がかなり高めの黒いうつわ

 さて今度は黒のうつわですが、高台(うつわの底にある、支えになる部分)がかなり高めで、デザイン性の高いうつわなの、わかりますでしょうか。

 シンプルなラーメンどんぶりもいいけれど、たまにはこんなうつわに盛ってみるのはどうでしょう。いつものインスタントラーメンが、一気に高貴な感じに様変わり。ちょっと高級な煮ものや和えものを入れるのによさそうな個性的なうつわに、ラーメンを入れたっていい。遊び心の例として盛ってみました。

◆ベトナム・ソンべ焼のうつわ

 最後は、ベトナムのソンベ焼きに盛ってみました。現地でも麺ものに使われていると思われる、ちょっと小ぶりなうつわです。50代になって、どんぶりや汁鉢は両手にすっぽり入るぐらいのものが、量的にも重さ的にもちょうどよくなりました。年齢と共にうつわの大きさもダウンサイズすると、収納スペースもすっきりするし、使いやすさ的にもいいと感じています。

 それはさておき、ここまで無地のうつわばかりでしたが、柄のついたものはやっぱりラーメンによく合いますね。青いラインと青の龍の柄が入ったこのうつわ、ベトナムの現地にあるような、トマトを入れた麺がものすごくよく合うんです。

 ラーメンのうつわ、いかがでしたか。ラーメン専用のどんぶりを買うのもいいけれど、サラダボウルを転用したり、ちょっとおしゃれな深鉢をときに使ってみたりするのもおすすめです。暗い感じの色みも、意外とラーメンと合いませんか? 自分に合った大きさと深さのものを見つけて、ラーメン鉢として使ってみてください。

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
Instagram @hakuo416

次の話を読む「パックから移しただけで様になる!」お刺身を引き立てるのはこんなうつわたち《敏腕フードスタイリスト直伝》

← この連載をはじめから読む

Column

うつわのある暮らし

食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。

2025.06.12(木)
文=白央篤司
撮影=平松市聖