「冷しゲソかき揚そば」は抜群の“うまい”そば
ゲソかき揚げは大きめにカットしたゲソがゴロゴロ入っている。揚げ具合も色合いもちょうどよい。
つゆをひとくち。冷しのつゆはさらにキリッとしまっていてよい具合だ。そして、冷たいそばを食べたとき衝撃が走った。温かいそばとは食感が全く違うのだ。


冷たいそばはつるっとしているがそのコシが強く、噛み応えが十二分に楽しめる。ゴワゴワとした感じではなく、はね返る歯ごたえである。このそばは冷し系で食べると本領を発揮するのに違いない。
ちょうどよい揚げ具合と噛み応えの“ゲソかき揚げ”
そして、ゲソかき揚げは秀逸だった。揚げすぎることもなく、ちょうどよい出来栄えである。箸で解していくと、大き目にカットされたゲソが現れる。その歯ごたえが堪らない。

店主に話を聞くと、何軒かのそば屋で働き修業して味の研鑽を積んだという。そして自分で店を持ちたいと立ち食いそば屋にターゲットを絞ってようやく開店にこぎつけたという。
「冷やしラー油肉そば」はイチオシメニュー
実食中に知り合いのボーカリストが来店し、彼は「ラー油肉そば」と「カレーライス」を食べて「うまい」と連発していた。「ラー油肉そば」のラー油はただのラー油ではなく食べるラー油を使っているところがキーポイントだとか。豚バラ肉との相性が抜群だと。また、カレーライスはステンレスの食器で提供される。それだけで萌える方も多いと思う。

そこで最初の訪問の翌週に「冷やしラー油肉そば」を食べてみたのだが、これがまた斬新な味だった。たっぷりの豚バラ肉の上に刻み海苔、食べるラー油、ネギがのる。「冷やしラー油肉そば」のつゆには、少しお酢が加えられている。よく混ぜて食べるとうまいとのこと。食べるラー油がいい仕事をしている。このコシのある冷たい生そばが油そばのようで絶妙な一体感がすばらしい。他店で見ないオリジナルな味である。

神保町に新しくできた「立喰いそば梅市」は生麺を使用し、王道のメニューから斬新なメニューまでそろう、そば職人が立ち上げた素敵な店だった。神保町に新店ができたことも本当にうれしいニュースだ。次回は温かい「ラー油肉そば」か「カレーライス」を食べようと思う。足繁く通ってしまいそうだ。

INFORMATION
「立喰いそば梅市」
住所:東京都千代田区神田神保町1-2-8
営業時間:月~金 11:00~15:00/17:00~20:00
土 10:00~15:00
定休日:日曜・祝日
(営業時間は変更する場合あり)

2025.05.09(金)
文=坂崎仁紀