簡単、あっさり、毎日食べたい。「味が濃くて調味料が多い」という中華料理のイメージを鮮やかに覆す、初のレシピ本『あたらしい家中華』(マガジンハウス)が重版を続け、13刷9万部という大ヒット。「料理レシピ本大賞」W受賞がさらなる話題を呼び、男性のファンも多いという。
SNSやブログでおいしい情報をマイペースに発信し続け、昨年12月発売の新刊『中華満腹大航海』(KADOKAWA)を上梓した中華料理愛好家・酒徒さんに、本場中国のごはんに邂逅する前に食べていたもの、現地での食の楽しみ方を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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『あたらしい家中華』が大ヒット
――ご著書『あたらしい家中華』がみるみるうちに13刷に。ご新刊『中華満腹大航海』も発売3日目にして重版がかかったそうで、おめでとうございます。
酒徒さん(以下、酒徒) ありがとうございます。
――ふだんは会社にお勤めのサラリーマンとのことですが、この一年と少しで、酒徒さんご自身の変化がものすごく大きかったのではと想像します。実際のところ、いかがでしたか?
酒徒 怒涛の一年間でした。2023年10月に初めてレシピ本を出したんですけれども、その反響が、自分の想像をはるかに超えたもので。「何刷」という話もそうですし、昨年9月には「料理レシピ本大賞」というものもいただきました。それにともなって今回のようにさまざまなお声がけをいただくようになったり、新刊もいきなり「重版」が決まったりと、もうびっくりしてしまうことの連続です。
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はじまりは「dancyu」の中華特集
――いちばん最初に酒徒さんのことを知ったのは、これなんですよ、2022年1月号「dancyu」の中華特集。
酒徒 あー、懐かしい。
――どういう経緯でお声がけがあったのでしょうか。
酒徒 2019年に駐在先の中国から帰ってきて、noteで中華料理のレシピを発表するようになってですね、それがけっこうnoteとしては多くの人たちに見ていただけるようになってから、ちょこちょこと雑誌のお話をいただくように。その流れからですね。
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――特集のタイトルが「新しい家中華」で、いまから思えば、ご著書のタイトルはここからきているのかなと。
酒徒 レシピ本の編集者さんと相談して、「今回の本のコンセプトにはこのタイトルがすごく合ってるんじゃないか」という話になりまして、dancyu編集部さんにおうかがいを立てて、同じタイトルを使わせていただいたという経緯があります。
2025.02.25(火)
文=中岡愛子