
大型連休でほっとしている人、連休明けからもっとがんばろう! と張り切っている人。気分転換に極上の映画はいかがでしょう。
初著書『非効率思考』(講談社刊)を通して、その非効率ながらうまくいく仕事ぶりに注目が集まっている書籍PR・黒田剛さん。一歩を進める勇気が欲しいときや、壁にぶつかったときなどに同じ映画を何度も観るといいます。
相手に「伝える」ためには“非効率”に動くべし、と語る黒田さんは、「仕事」という枠を超えて楽しく仕事をする名人。心の糧になり、働くことがもっとハッピーになる映画を紹介してくれました。
連休明けの仕事を楽しくするためにぜひ観てほしい作品ばかりです!
人生に“変化”をつけて最高のゴールへ
『幸せのちから』

「僕は最初、営業マンとして働いていたのですが、31歳のときに転職しようと思い立ったんです。
結婚して子どもも生まれた頃で、もちろんそのままでも十分幸せだった。ただ、営業として自分なりのやり方で成果を出し始められた頃で、次はもう少し大きな世界で挑戦してみたいと、思い切って転職活動をすることにしたんです。
そのころに観たのがこの『幸せのちから』。主人公、ウィル・スミス演じるクリスも同じくセールスマン。ただ、彼の場合は奥さんが出て行ってしまってひとりで息子を育ててるんだから、もっと大変ですけどね。
クリスは、もともとやっていた医療器具のセールスから一流の証券会社に転職するために、ひとりで子どもを守りながら、とにかく行動し、頭も使う。そして最後に、素晴らしいゴールが待っていた! これが実話をもとにしているというのも、転職をしようとしていた僕にはものすごく響きました。
つまり、変化することってすごく大変なんです。死に物狂いで頭も体も動かす。だからこそ、素晴らしいゴールにたどり着けるんだと思います」(黒田さん)
●あらすじ●
1980年代。妻と5歳の息子と3人で暮らしていたセールスマンのクリス・ガードナーは家賃も払えず、どん底の生活を送っていた。ついには、妻が出て行き、家を追い出され、貯金も底をついてしまう。そんなクリスが最後に選んだ道は自分の才能を信じて、一流証券会社へ入社することだった。しかし6カ月の無給のインターンを経て、正式採用されるのはただひとり。愛する息子のため、奇跡を信じてクリスの過酷な戦いの日々が始まった。
『幸せのちから』
監督:ガブリエル・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス、ダンディ・ニュートン、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスほか
2006年/アメリカ/117分
需要なくして供給はない! ディカプリオの“伝える力”
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

「レオナルド・ディカプリオがジョーダン・ベルフォートを演じ、若くして成功した彼の破天荒な半生を描いたストーリーです。
彼の一番すごい才能は、いいことでも悪いことでも、人の心をつかみ、動かせること。
名シーンのひとつに、彼が部下たちに『ここにあるペンを俺に売ってみろ』と言う場面があります。部下たちがペンの素晴らしさを必死に伝えようとするのですが、それじゃあ、売れない。彼の出す正解は『ペンのない人に名前を書かせる』、つまり、大事なのは“需要”なんです。
これって、僕が営業時代から一貫して相手に聞いている“お困りごと”と一緒。だから、原点に返りたいときにはこの映画を観ます。営業やマーケティングの仕事をしている人にはぜひ観てほしい作品です。
3時間ありますが、僕は何度観ても楽しくてあっという間に感じます。ただし、景気がいいときのジョーダンはひどいこともたくさんするので、そこは要注意(笑)」(黒田さん)
●あらすじ●
ウォール街には数々の金にまつわる逸話があるが、その中でも飛び抜けてドラマチックなのがジョーダン・ベルフォートの物語。26歳という若さで証券会社を立ち上げ、年収およそ49億円を稼ぎ出した彼は、一躍成功者の仲間入りを果たす。しかし、派手な浪費と放蕩の末、36歳で全てを失い、楽園から追放されることに。成功と破滅を極限まで体現した彼の破天荒な人生を映画化。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビーほか
2014年/アメリカ/179分
2025.05.05(月)
文=CREA編集部