高野山の未来を感じるラグジュアリー宿坊
◆宿坊 恵光院

「恵光院」は、先代から新しいことを積極的に取り入れてきたお寺。現在の近藤説秀住職に代替わりしてからさらに進化している。
宿坊の快適性の追求だけでなく、ラグジュアリー化、デザインやアートを巧みに取り入れ、SNSでの配信なども積極的に行っているのだ。

海外からのゲストが多いのも特徴で、執事をはじめ、ほぼ全員が外国語を話す。宿坊は半年以上前に海外からの予約で埋まっていくというから驚きだ。

仏教に触れるための体験プログラムも多く実施しており、瞑想の「阿字観」体験や写経、なんと「奥之院ナイトツアー」という、夜の奥之院を歩くツアーの集合場所になっている。
もちろん、ブータン、ミャンマーなどから仏教徒として訪れる人もいるが、おそらく仏教徒ではない欧米からのゲストがとても多い。日本文化に興味を持ち、仏教、そして本物の体験を求めてはるばる高野山を訪れ、阿字観でも真剣な面持ちで瞑想にふけっている。


また、住職はアートにも造詣が深く、多くの若手日本画家に襖絵や天井画などの制作を依頼。絵の中から飛び出してきそうな生気溢れる動物や、四季折々の植物や風景、ダイナミックな書も、単なる飾りではなく、襖という道具の一部としてすぐそこに存在しているのが興味深い。


宿坊 恵光院
所在地 和歌山県伊都郡高野町高野山497
電話番号 0736-56-2514
客室数 29
料金 (1名)スイートルーム「月輪」100,000円~、Jr.スイート「金剛」68,000円~、コンパクト和室 18,000円~(すべて2名利用、2食付き)
https://www.ekoin.jp/
2025.04.28(月)
文=北條芽以
撮影=橋本 篤
協力=和歌山県東京観光センター
CREA Traveller 2025年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。