アツアツでつゆのうまさが堪らない「春菊天そば」

 人気のそばメニューを聞くと「げそ天そば」「紅生姜天そば」「春菊天そば」というので、「春菊天そば」を券売機で購入し注文した。

 厨房ではたくさんの天ぷらを揚げているところだった。しかもどれも大きく揚げ具合が躍動的で美しい。「天ぷらは3~4つくらいずつ揚げていて、昼になるとすぐになくなってしまうので、いつも注文の都度揚げに近い状態になっている」とのこと。期待が膨らむ。

 1分もかからないうちに「春菊天そば」が完成した。まずつゆをひとくち。これがアツアツでやけどしそうになる。そしてつゆのうまさが堪らない。出汁はかつおの本枯れ節の厚削りとうす削り節、鯖節、宗田鰹節をふんだんに使っている。

 返しもビシッと決まっていて濃い目の江戸のつゆだ。春菊天は適度な大きさにカットしたものをかき揚げ風に仕上げたタイプで香りがよく、ころもとのバランスがよい。ふわっさくっとしていてつゆにほぐれていく。そばは埼玉の大手製麺屋の茹で麺だが、コシもあり量も多い。これはバランスのよい一杯だ。

天丼は3種類でどれも具沢山

 ぐいぐい食べ進んでいると坂野店長が「うちは天ぷらが多いので、天丼もおすすめです。ミニ天丼セットはよく出ます。天丼だけでも3種類あるんです」と教えてくれた。

 目の前にあるメニュー表をみると、たしかに「ミニ天丼セット」の他に「天丼」、「上天丼」、「かき揚げ丼」がそろっている。テイクアウトの利用も増えているそうだ。最近、天丼セットにハマっているのでこれは注文しないわけにはいかない。そこで「天丼」を追加注文してみた。

 到着したどんぶりをみてびっくりした。「天丼」にはエビ天、イカ天、魚の天ぷら(今日はキス天)、そして野菜天(ピーマン天)、沢庵2切れがのっている。豪華絢爛などんぶりだ。どんつゆはごはんと天種にしっかりとかけられていて濃い目の味付け。ピーマン天を食べると下に隠れていたきす天が現れる。なんか嬉しい。きす天もカラッと揚げられている。

 ちなみに「上天丼」は「天丼」の具にほたて天が追加される。「かき揚げ丼」はエビ、イカ、ほたて、玉ねぎの海鮮かき揚げがのる。「ミニ天丼セット」のどんぶりは「天丼」のアタマに半ライス。

2025.02.23(日)
文=坂崎仁紀