②ここでしか味わえない感動の食体験を

 クルックフィールズを訪れたならアートだけでなく、食事もマストで楽しむべき!

 ダイニングレストラン、ベーカリー、シフォン、ミルクスタンド、ジビエを扱うシャルキュトリー、入口に店舗を構えるマーケットなど、どのお店も「ここで採れた素材」がコンセプトになっています。

 例えばミルクスタンドでは、酪農場でしぼったミルクを台車を使わずに手で運び(振動を避けるため)、低温殺菌して提供しています。すぐそこで採れたミルクをごくごく飲めるとはなんという幸せ!  

 ベーカリーではクルックフィールズ内で種まきから収穫まで行われた小麦でパンが作られ、シャルキュトリーには農場で採れた四季折々の野菜やハーブをたっぷり使ったラインナップが並ぶ。すべてが地産地消。こだわりの逸品ばかりです。

究極の地産地消レストラン「perus(ペルース)」

 今回食事をしたのは、クルックフィールズの丘の上に立つカウンターのみのレストラン「perus(ペルース)」。食事ではなく”食体験”と言うべき! そう強く思うほどの感動がここにはありました。

 店名の由来はフィンランド語で「素」。その名の通り、オーガニック野菜やジビエ、平飼い卵、その時旬の食材をすぐそこの農場からその日に仕入れて作ったイタリア料理を楽しむことができます。コースメニューの食材の9割がクルックフィールズで作られているそう。残り1割は主に魚介類や調味料で、それも地元のものを厳選して仕入れています。

「ここまでできるのは日本全国でも、クルックフィールズしかないと思う」と山名新貴シェフは胸を張ります。

2025.03.06(木)
文=上野 郁
写真=大森 光太郎、上野 郁