①心ゆくままアートに浸る

 クルックフィールズには世界的に活躍するアーティストのアートが点在しています。そのすべてに共通しているのは「人と環境がつながるヒントがこめられた作品」ということ。

 すべての作品が公開展示されているので、じっくり作品の世界に浸るのも、友達やパートナー、子どもと一緒にわいわいしながら鑑賞するのも自由。そうやって思いのままに楽しむアートはきっと心の滋養となってくれます。いくつかのアート作品をピックアップ。

さまざまな角度から眺めて表情を楽しむアート作品

草間彌生「新たなる空間への道標」

 広大な敷地の中でも圧倒的な存在感を放っているのは、草間彌生の作品。人工物と自然との境目を表現しているよう。この作品に対する草間彌生のメッセージによると、赤い色は炎を表していて、全世界と宇宙の中における私たち人間の未来を暗示しているそう。

島袋道浩「ツチオとツチコ:55年後のBED PEACE」

 この作品は、これまでに生まれ、そして死んだ人たち、土に還った私たちの祖先のモニュメントであると同時に、人と人がベッドの上で出会うことで人が生まれ人類は未来に続いていく、という意味が込められたモニュメントでもあるそう。また、1969年にアムステルダムのヒルトンホテルで「BED PEACE」を掲げたジョン・レノンとオノ・ヨーコの姿にも重なって見えます。まだ完成してから1年も経っていない石と土でできているこの作品、50年後にはどんな姿になっているのでしょうか。

2025.03.06(木)
文=上野 郁
写真=大森 光太郎、上野 郁